細川:原さんのプロフィールを教えてください。

第一生命ホールディングス 原 由也氏(以下、原):1994年に大学を卒業して、まずキヤノンに入り、工場総務や採用を経験してから、イギリスとオランダに赴任しました。帰国後は人財開発の仕事に2~3年携わった後、ベトナムに赴任し2万人規模のプリンター工場の人事総務マネジャーを務めてからキヤノンを辞めました。

細川:どうして辞めたのですか?

原:海外も含めて18年ほど人財マネジメントの領域でキャリアを積んだこともあり、私の中に「人財マネジメントとグローバル」という軸がカッチリできていましたから、その専門家としてやっていきたいと思ったのが理由のひとつです。キヤノンではジョブローテーションで人事・総務領域の仕事を任される可能性が高くて、この軸がぶれるかもしれないと思いました。

 また、海外勤務を通して、日本企業の海外競争力の弱さを痛感したことがもうひとつの理由です。ベトナム赴任時は、サムスンやレックスマーク、マイクロソフトなどの企業と競合していましたが、互いに人財の取り合いなどをする中で、やはり日本人は生産技術に頼ってしまい、それ以外の部分は弱いと実感しました。これから日本という国や、次世代の子供たちに貢献するには、日本社会ひいては日本企業の競争力を上げることを、ライフテーマにしたいと、その時思ったんです。

第一生命ホールディングス 人事ユニット部長
第一生命保険 人事部 採用担当兼人財開発担当 部長 原 由也氏
1994年、キヤノン入社。18年間、広範な人財マネジメントを経験。うち11年間イギリス、オランダ、ベトナムの3カ国で人財マネジメント従事。2012年、大手デジタルエンタテインメント入社。グローバル人事部門の企画統括、人事本部全体統括を経験。2014年、第一生命保険入社。現在は、グループ人財マネジメント運営の企画統括や中途採用チャネル強化、リーダーシップ開発、グローバル人財育成を推進中。

細川:素晴らしいと思います。

原:思ってしまうとやりたくなってしまうタイプなので、思い切って辞めちゃおう!と。

細川:第一生命さんにはどのような経緯で入られたのでしょうか?

原:第一生命に入社する前に、デジタルエンタテインメント会社に2年ほど勤務しました。グローバル人事の立ち上げなどを経験しましたが、同社の海外進出戦略もあって、その会社を退職したのが、第一生命が海外展開を本格化している頃でした。私が入社したのは2014年ですが、シンガポールの地域統括会社を2015年から立ち上げるという時に、ローカルの社員の人事制度が分かる人財マネジメント専門家の募集があり、入社したという経緯です。

細川:第一生命さんは約10年前に株式会社となりました。近年はグローバル化して、日本の保険会社とは思えないくらい成長しましたよね。

原:ありがとうございます。私が入社した5年前と比べても、日本本社の雰囲気も含めて、グローバル化が大きく進んだという印象はあります。

細川:以前は非常に官僚型企業のイメージでしたが、今はどうですか?

原:株式会社化したことで、機関投資家などステークホルダーの評価を意識するようになり、また、ホールディングス化したことで、ビジネスの志向に柔軟性も出てきています。今までにないような取り組みにも挑戦していく雰囲気になり、社員一人ひとりがとても前向きに取り組んでいる会社だと思っています。

細川:社長もとても若くて、就任された時は驚きました。

原:大手金融の中で一番若い社長なのではないでしょうか。

細川:いい意味で進化していますよね。昔の第一生命さんのイメージからすると、今のグローバル化された最先端の状態は、すごいイノベーションだと思います。

原:進化を続けてはいますが、まだまだ足りないと認識しています。