お客さまを守り続けるための人財育成

細川:原さんの人財開発におけるミッションを教えてください。

原:「グローバル人財育成」「経営管理職(部長以上)の研修」「選抜育成」の3つです。

細川:今は誰でも同じ研修を受けるという時代ではありませんから。「選抜育成」は、非常に理にかなっている感じがします。

原:そうですね。ただ、それと同じくらい大切なこととして「全員が生産性を上げることもしっかりやっていく」というのが、今の当社の考え方です。また、それをしっかり引っ張っていくリーダーを必要なだけ揃えておくのも大事なことで、どちらかだけでは不十分だと思っています。

細川:将来の経営層に対する人財開発のエッセンスは、どのようなものでしょうか。

原:生保業界は日本の人口動態だけで考えると、これから収れんしていく産業ですから新しい変化を起こしていくことが求められます。例えば他業種とのパートナーシップや、新しいビジネス領域の開拓、テクノロジーイノベーションの活用などです。そして、そういった変化にタイムリーに対応して、組織を引っ張っていける経営幹部がひとりでも多くいなければならないと考えています。「変革リーダー」、言い換えると「変化の中で、セルフマネジメントしながら変化、成長し続けていけるようなリーダー」を育成することがテーマです。

細川:イノベーターですね。

原:イノベーターだけではダメで、イノベーターな部分もなければダメという感じです。日本の伝統的な保険会社の良さも維持しながら、一方で、変化や失敗を恐れず挑戦していけるようなリーダーが増えてほしいというのが、トップの思いでもあります。

細川:原さんが担当されている「次世代経営塾」が、そういったリーダー育成の役割を担っているのでしょうか。

原:はい。

細川:守るところは守って、変化するところは変化するということですね。

原:保険業は、お客さまからお預かりした大切な資産をしっかり運用して、お客さまの万一の時にきちんと支払える状態を保たなければなりません。お預かりしているお金を、ホールディングス会社だからと安易に使うような会社ではいけません。116年守り続けてきたお客さまからの信頼をこれからも守り続けながら、一方でお客さまに応えていくためにも、今まで通りであってはならないと思っています。「お客さまを変わらずに守り続けていくために、お客さまのために変わらなければならない」ということです。

細川:私も保険業界出身なので、よく分かります。運用も大変ですよね。危ない運用もできませんが、グローバルな運用もしていかなければなりませんし……。

原:保険販売の国際化というだけではダメですから。

細川:高齢化社会も進んでいきますから、「お客さまを変わらずに守り続けていくために、お客さまのために変わらなければならない」という感覚は、分かるような気がします。

原:日本の社会保障制度をきちんと補完できるという公の役割も保険会社にはあります。その側面も含めて、守るべきところはこれからも守り続けなければいけないというのが、我々のベースにあります。