若手育成のキーワードは「つながり」

細川:いまどきの若手の特徴をどう捉えていますか?

第一生命ホールディングス 原 由也氏(以下、原):たくさんありますが、特に「暖かく包まれたい」という気持ちが強い気がします。「ガツガツしていない」「みんな一緒」「真面目」なところも特徴だと思います。一言で言えば、人柄はいいのですが受動的なところがあります。これは個々の差はあっても全般的に言えることだと思います。

細川:理屈で説明しないと納得しないところもありますよね。

原:だからこそ、時間をかけて対話をしなければいけないと思います。対話の時間が少ないと納得感を得られず、業務にも身が入らなくなってしまいます。「つながり」というのは、SNS時代を生きる彼らのキーワードですから、自分の仕事と会社の理念とのつながり、会社の経営戦略とのつながり、ひいては社会や世界に、自分のしていることがどうつながって、どう意味があるのかが大事です。お金ももちろん大事なんでしょうが、すべてではないという感じがします。

第一生命ホールディングス 人事ユニット部長
第一生命保険 人事部 採用担当兼人財開発担当 部長 原 由也氏
1994年、キヤノン入社。18年間、広範な人財マネジメントを経験。うち11年間イギリス、オランダ、ベトナムの3カ国で人財マネジメント従事。2012年、大手デジタルエンタテインメント入社。グローバル人事部門の企画統括、人事本部全体統括を経験。2014年、第一生命保険入社。現在は、グループ人財マネジメント運営の企画統括や中途採用チャネル強化、リーダーシップ開発、グローバル人財育成を推進中。

細川:社員数が多い、いわゆる団塊世代のマネジメントは比較的簡単だと聞きます。頑張れば家も名誉も手に入るならと、ガツガツ仕事をするんだそうです。これは別に日本だけではないと思いますが、今は子供の数が少ないので、どうしても競争心が芽生えにくいのだと思います。

原:今の23歳が生まれたのは1996~97年くらいです。日本の低成長が普通になっている頃に生まれて育っているので、国が成長するとか、社会が成長するということをあまり経験していません。両親が仕事を頑張って、だんだん家が良くなっていくとか、車が家に来たとか、電化製品が家に増えたというような経験が乏しいんです。生まれた時から同じように家電もあって、車もある家に住んでいて、それが成長と共にグレードアップするわけでもないという感触を持っているんじゃないかな、と自分の子供を見ても思います。

細川:私の娘や息子を見ていてもそう思います。

原:すると、チャレンジしようとか、出世しようとか、上に行こうという気持ちにはなかなかなりません。

細川:失敗を恐れる傾向もあるようですね。

原:「やり方が分からない」という発言をよく聞きます。私の子供もそうですし、今の若い世代の社員と話していても、そこは非常に気になるところです。「失敗したくないから、まずはやり方を教えてください」と言ってくるので、対話やコミュニケーションが、我々の世代とは違うレベルで必要なのかなと思います。少なくとも私たちは、上司からは「背中を見て学べ、失敗して覚えるもんだ」「失敗してなんぼだから、とにかくやってみろ」と言われましたが、今の若い社員にそれは通用しません。そんなことを言うと、「教えてくれない」と言われてしまいます。