細川:「活かすボス(下記)」というのは、どのような施策なんでしょうか?

原:マネジメント層の「活人力」、人財育成力を高めていきましょうという取り組みです。

1年目アクションプランシート(ビジネスコーチ提供)
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細川:管理職の人たちが「活かすボス」になるということなんですね。

原:新入社員も含め社員が自分で学び、チャレンジする社員になっていくためには、セキュアベースが必要です。セキュアベースとは、安心して失敗を恐れずに仕事にチャレンジしていけるような職場環境のことを意味しているのですが、そのスペースを確保するのが上司の責任ということです。

 自立的に取り組む社員をきちんと後押しするのはマネジメント職の役割で、その両方がうまく回らないとチャレンジする人財というのは育たない、というのが当社の考え方です。「活かすボスの心得」は12カ条あります。私も手帳にいつも挟んで、何かある時に目を通して、「これは今日もできなかったな」「これはやり過ぎたな」と振り返っています。覚えにくいという指摘もあったのですが、振り返るにはとても有効ですし、管理職にはこれをベースに360度評価を実施して、実践できているかという点検もしています。

細川:これは読めば読むほど、素晴らしいリーダーになりますね。

原:両輪です。社員本人たちにも頑張ってもらうのですが、それを支え、包むマネジメント層も向上していくために頑張っていく必要があります。

細川:人財育成について、本当に考え抜かれていますよね。

原:社長の稲垣も、人事担当役員も熱心で、いわば真に“人財育成力”の高い会社を目指して、本当に覚悟を持って取り組んでいます。第一生命が今まで培ってきた文化も含めて一番浸透しやすいものをよく相談しながら、導入できていると思っています。

ゴールは「自立した強い個人」をいかに増やせるか

細川:原さんご自身の、人財育成についてのビジョンについて教えてください。

原:「自立した強い個人」というのが私の生涯を通じたモットーです。

 私自身もそうありたいですし、私のキャリアを通じて、そういう人財をいかに増やしていけるかが目標です。これは、キヤノンにいた時の人事担当の専務が言っていた言葉なのですが、これがいつまでも胸に突き刺さっているんです。海外では「自立した強い個人」をたくさん見てきましたし、キャリアを作るとはこういうものだと衝撃を受けて、自分も転職を経験しました。日本企業のローテーション育成の良さは当然ありますから、一概に、海外のように専門スキル1本でやっていくという方法がベストだとは言えません。

 私も自立しないと認めてもらえないという経験をしてきました。今もそういう挑戦をしています。だからこそ、自分のキャリアを自分で作れる強い個人がどれだけ増えるかが、これから企業の競争力になっていきます。それを意識して人財育成を続けていきたいなと思っています。

細川:それが原さんの柱なんですね。

原:はい。