若者たちが仕事に求めているのは、お金だけではありません。彼らは、「お客様にありがとうと言ってもらえること」を何よりも大事にしています。

 ところが、多くの職場で、それが理解されていません。

 上司は、過去の成功体験をもとに、自分たちがやってきたイケイケドンドンの営業手法にこだわり、「とにかく何度でも足を運べ」「もっと粘り強く交渉しろ」などと部下をあおります。しかし、時代はとうに変わっています。部下は「それを顧客は望んでいない」「それでは顧客は幸せにならない」と考えているのです。

 加えて、コンプライアンスやセキュリティーといった側面からも、プッシュ型の営業はリスクを含んだものとなります。それに何より、合理的ではありません。

 人口が減ってマーケットが縮小していくなかで、企業はどういうやり方で顧客と接し、何を提供していけばいいのか、本気で考えなくてはなりません。

 営業は、直接的に企業に利益をもたらす仕事です。どこの会社でも、特に重視し、独自のスタイルを築き上げてきたことでしょう。それを変えていくことは簡単なことではないかもしれません。しかし、直接に利益をもたらす仕事であるからこそ、時代が変わった今、営業スタイルを変えることができなくては企業生命そのものを脅かす結果となります。

 あなたの職務が営業ではないとしても、このことは全社的な課題として考えてみる価値があるでしょう。

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンともに完走を果たす。著書に、『短期間で社員が育つ「行動の教科書」』(ダイヤモンド社)、『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(日経BP)など多数。

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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。