古いやり方との決別を担うマネジャー世代

 そのことを、「ついている」「ついていない」などと論じるのはやめましょう。いまのマネジャー職がそんな立場に置かれた要因の1つには、あなたたち世代の優秀さもあるのではないかと私は思っています。つまり、それができるのは、いまのマネジャー世代しかいないのではないかということです。

 いまのマネジャー世代は、上司たちから受け継いだ「文句も言わずに長時間頑張る力」も持っていますが、同時に、上司たちにはない「新しい時代に適応する柔軟性」も備えています。だから、「就業時間内に部下を育てる」という難しい仕事を、間違いなくやり遂げてくれるでしょう。

 そのために必要なのは発想の大転換です。部下育成に限らず、仕事が就業時間内に終わらないのは、「終わらなければ残ってやればいい」という思いがどこかにあるからです。この「終わらなければ」という発想を封印して「終わらせる」を大前提に仕事を組んでいく必要があります。

 そこで、生かしてほしいのが「劣後順位」の考え方です。あなたが部下に伝えようとしていることを冷静に一覧してみると、「いまでなくてもいい」と思えることがあるはすです。それは捨ててしまいましょう。

 以前から、日本人の生産性の悪さが指摘されています。日本人は優秀ですから、「仕事がのろいから生産性が低い」のではないでしょう。間違いなく、「ムダにのろのろやっているから生産性が低い」のです。昔は、会社に長時間いれば評価されたので、あなたの上司世代には「ムダにのろのろやる」能力がついてしまったわけです。

 そんなバカげたシステムを、きっぱり断ち切るチャンスが、いま訪れていて、そのかじ取りをあなたたちマネジャー世代が任されたと考えてください。

 大変でしょうが、今年の目標の1つとして、「仕事は就業時間内に」を掲げてみてはいかがでしょう。

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンともに完走を果たす。著書に、『短期間で社員が育つ「行動の教科書」』(ダイヤモンド社)、『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(日経BP)など多数。

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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。