では、高度な仕事を担当していればいいのかというと、それも怪しいのです。

 ある時期まで「末端の仕事はすべてロボットがやるようになるので、それを指揮できる仕事に就いていればよい」という意見も根強くありました。しかし、レベルの高い仕事こそ、AIに任せる時代になるという見方が強くなってきています。

 いずれにしても、単純な方程式でくくることは不可能です。

 AIが台頭してくることは確かだけれど、それが「どのように」なされ、「どのような」状況を引き起こすかについては、多様な展開を見せるでしょう。

 要するに、「こういう仕事に就けばいい」「こういう能力を磨けばいい」といった答えは簡単には得られません。それは厳しいことでもありますが、逆に言えば、「こんな仕事が生まれたのか」「こんな能力が求められるようになったのか」という新しい世界が拓けていくことを示しています。

 結局のところ、一番強いのは「自分株式会社」の意識を持って働くことができている人たちでしょう。どんな仕事が生まれても、どんな能力が求められても、自分という「主体」がいかにそれに対応していけるかを考えられる人たちです。

 一方で、どれほど高いビジネススキルを持っていても、「企業の一員」という意識でいれば、危ないのではないでしょうか。なぜなら、主体ではない「一員」について、企業はいつでもそれをAIに置き換えることが可能だからです。

 AIに置き換えられる人になるかならないか。それは、今のあなたの「意識」によるところが大きいのかもしれません。

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンともに完走を果たす。著書に、『短期間で社員が育つ「行動の教科書」』(ダイヤモンド社)、『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(日経BP)など多数。

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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。