この連載でも時々触れましたが、私はこれまで、サハラ砂漠や南極など非常に厳しい条件下で行われるマラソン大会に参加し、完走してきました。

 「なぜ、そんな大変なことに挑戦するのか」という質問をよく受けるのですが、ひと言で表現するなら楽しいからです。もちろん、実際に走っている時は苦しさが先行し、「こんなばかげた大会に、なんでエントリーしてしまったのだろう」と後悔することもたびたびです。それでも、日常に戻ればまた喜々として次の計画を立てるのですから、やはり好きなのでしょう。

 最近は山に興味が出てきて、2020年春のエベレスト登頂を目指し、着々と準備を進めているところです。ちなみに、私は40歳を過ぎるまで運動らしいものはしたことがありませんし、本格登山の経験もありません。それでも、標高8800メートルを超える地点からの景色を眺めてみたいという思いが私を突き動かしているのです。

 これらは、プレイングマネジャーとして日々の仕事に忙殺されているみなさんにしてみると、あきれた話かもしれません。「僕には、そんな時間はないよ」と。

 しかし、私の忙しさも決してみなさんに負けてはいないと思います。そして、だからこそ意識的に趣味を謳歌しています。そうした時間がなければ、おそらく私は枯渇し、いい仕事ができなくなっているでしょう。

 私にとって、趣味と仕事は「まったくの別物」ではありません。お互いにいい意味で関与し合っている人生の重大要素です。忙しい仕事があるからこそ「次は○○に挑戦したい」という趣味のテーマもどんどんあふれ出てくるし、趣味の時間が充実しているからこそ仕事も頑張れます。

 それに、走っている最中に仕事のアイデアが浮かぶこともしょっちゅうです。また、趣味の仲間には、大いにビジネス上の刺激を受けています。つまり、仕事と趣味は切っても切れないものなのです。

 私の周囲を見ても、仕事と趣味の境界が緩やかになっているビジネスパーソンが増えています。彼らは、自分のビジネスや、自分という人間について説明する時、よく趣味の話を持ち出します。

 一時代前なら、「仕事は仕事。いちいち遊びの話をするな」と批判されたものですが、今はトータルな人間力が必要とされています。ただ仕事だけをこなしている人は、AIに取って代わられ淘汰されていくでしょう。

 2018年は「副業解禁元年」ともいわれており、多くの企業が社員の副業を認めていくと考えられます。リクルートキャリアが2017年に行った調査では、「正社員の副業を推進もしくは容認している」企業はまだ22.9%にとどまっていますが、これからはどんどん増えていくことでしょう。
■株式会社リクルートキャリア
「兼業・副業に対する企業の意識調査」
■朝日新聞DIGITAL
「会社員の副業、解禁でどう変わる?SBは130人応募」