働き盛りのマネジャーたちを見ていて思うのは、多くの人がSNSに振り回されているということです。

 SNSは、上手に使えば、満足のいく自己表現が可能になります。しかし、現実には自分の発信したい内容よりもむしろ、それに対する周囲の反応に気をとられている人が多いのです。あるいは、周囲の発信に対して「何か反応しなければ」という強迫観念に陥っているようにも見えます。

 ある調査によれば、フェイスブックで「いいね!」が押される回数が、日本は世界の中で群を抜いて多いそうです。もともと日本人は「和」を重んじる民族ですから、SNSに好意的に反応し合うことは一種のルールになっているのかもしれません。

 しかし、それをやっていることによるマイナスはないでしょうか。深夜までスマホやタブレットの画面を見ることで、睡眠の質を落としていないでしょうか。

 そもそも、「いいね!」を押したのは、本当に「いいね!」と言いたくなるほどの楽しい気持ちからでしょうか。惰性でやっているのではありませんか? あるいは、もしかしたら、そこに焦りや嫉妬、反感といったネガティブな感情があるのに、それを押し殺しているのではありませんか?

 結局のところ、私たちにできること、私たちが最も真剣に取り組まねばならないことは「自分のこと」です。人が何をやっているかとか、人がどう思っているかということよりも、はるかに大事なことがあるのです。

 それは、「自分勝手に動く」ということとは違います。一人ひとりがしっかりセルフマネジメントを行ったところに、集団としての成功もあるということです。「量より質」が問われる時代、「いいね!」のやりとりよりも、まずはセルフマネジメントに注力しましょう。

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンともに完走を果たす。著書に、『短期間で社員が育つ「行動の教科書」』(ダイヤモンド社)、『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(日経BP)など多数。

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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。