石田 淳
株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者

 「これだから、ゆとりってやつは……」
おそらく日本中の職場で、今日もこんな言葉が飛び交っていることでしょう。

 特に、部下育成をまかされているマネジャーたちにとって、すぐに心が折れる「ゆとり世代」の若者は頭痛のタネになっています。さらに、ゆとり世代の次には、「さとり世代」と呼ばれる何事にも無欲な年代が控えており、今後、彼らとともに業績を上げていかなければならないマネジャーたちの不安は尽きることがないようです。
「やっと、ゆとり世代への対応が少しはわかってきたと思ったら、今度はまた別の変なやつらの相手をしなければならないのか……」
しかも、それで終わりません。おそらく、さとり世代の次にも新しい「理解しがたい若者」が登場します。この、ネガティブな連鎖から抜け出すために、いったいどうすればいいのでしょう。

 「○○世代」というくくりを、意識から外してしまうのも1つの重要な方法です。人間はバイアスのかかりやすい生き物ですから、一度「彼らは○○世代」と考えてしまうと、なにかにつけてその決めつけが強くなります。

 単純に、新人によくありがちな凡ミスをしただけなのに、「やっぱり、ゆとりだからな」と間違った評価を下してしまうということが起きます。

 ゆとり世代の若者たちは、なにかにつけてそういう評価を下されることに悩み傷ついています。彼らは、その世代を選んで生まれてきたのではなく、偶然そのグループに属しているだけです。でも、上司たちからそういう決めつけをされてしまうと、もうどうしようもないのです。

仕事ができる人は自分の属性をひけらかさない

 少し古い話になって恐縮ですが、今の50歳前後の人たちは若い頃、上の人から「新人類」と呼ばれました。新人類の定義は、「大人としての自覚と責任を引き受けることを拒否した世代」というひどいもの。職場では、「あんな無責任なやつらに仕事はまかせられない」と盛んに批判されたようです。

 その後には「バブル世代」といわれる人たちが出現しました。バブル経済で企業の業績がよかったために、超売り手市場で就職した世代です。そのため、「時代に助けられただけの、全く仕事ができない世代」と揶揄されることがありました。

 でも、そんな彼らも、いまでは多くが部長などの重職についています。そして、そういう世代にあなたは育てられ、マネジャー職をまかされるまでになりました。