こうした状況を取り上げて、若者たちを「弱すぎる」と切り捨てるのは適切ではありません。

 いつの時代もビジネス環境は変化し続けています。

 今マネジャー職である人たちは、社会人になった時、すでにパソコンが一般的なビジネスツールとして存在していたはずです。しかし、そろそろ定年を迎えようという年配者たちは、ファクスもない時代から仕事をしているわけで、あなたと彼らの間にも大きな世代ギャップがあります。

 例えば、毎日のスケジュール管理をスマホのアプリで行っているマネジャー世代に対し、上の世代は「いちいちそんなもの開いていないで、手帳に書いた方が簡単だろう」と言ったりします。しかし、マネジャー世代からすると「いちいち手帳なんか出したくないから」スマホを使っているわけです。

 このように、自分たちが慣れ親しんでいないことを習慣にするのは簡単ではありません。

 会社の電話が取れない部下がいた時に、「とにかく出ろ」と自分たちの経験を押しつけてもうまくいきません。彼らを「鍛えよう」とするのではなく、「恐怖心なく電話が取れる方法」を教えてあげればいいのです。

 呼び出し音が3回鳴る前に受話器を取る、メモを手元に用意する、まずは会社名を名乗る……と一連の行動を細かく分解し、伝えてあげましょう。あなたがかけた電話に出てもらってもいいでしょう。

 そうやって成功体験を積んでもらうことが大事。根性論で無理に取らせ、失敗させれば、ますます萎縮してしまいます。

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンともに完走を果たす。著書に、『短期間で社員が育つ「行動の教科書」』(ダイヤモンド社)、『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(日経BP)など多数。

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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。