そして、本当は上司にとってもこれがベストなのです。大事なのは、仕事を好きではない9割の人に会社を辞めずにやるべきことをこなしてもらうことです。

 そのためには、人と仕事を分離して、多くの人が働きやすい環境をつくる必要があります。 「○○をやらせたら彼の右に出る者はいない」とか「○○に関しては彼女に任せておけば安心だ」といった「人につく仕事」をつくらずに、「標準化」を図りましょう。

 どんな仕事においても、誰がやっても同じようにできるようにすることで、9割の人たちが安心して働けるようになり、かつ生産性が上がります。

 「それでは個性が生かせず、仕事はつまらないものになってしまう」というのは、A氏のようなやり方をしてきた人たちの思い込みです。

 若い人たちにとって、人生は仕事ばかりではありません。プライベートが充実してこそ気持ちよく仕事に取り組めるのです。そして、それは上司世代も同様です。ただ、経験していないから分からないだけです。

 自分自身が「まずは仕事」という発想から自由になって、新しいマネジメントに取り組んでいきましょう。

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンともに完走を果たす。著書に、『短期間で社員が育つ「行動の教科書」』(ダイヤモンド社)、『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(日経BP)など多数。

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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。