ところが、原稿には直し依頼がびっしり入って返ってきました。先方が求めていたのは、フランス語の正確さだけでなく、ニーズを掘り起こすような文章でした。しかも、そのスケジュールがタイトで、B氏は「とてもできない」と断ろうとしました。

 しかし、一回受注したビジネスにおいてそれが通るはずもなく、B氏は平日の帰宅後の時間をその仕事に使わねばなりませんでした。明け方までかかることもたびたびで、体調を保つのが大変でした。さらには、本業の仕事中にも携帯電話に催促が入り、引き受けた分をやり遂げるまでの1カ月近くノイローゼ状態だったそうです。

 会社勤めをしていると、なにかにつけ会社がフォローしてくれるため、従業員一人ひとりはリスクについて無防備でいられます。

 しかし、副業ではしばしば個人事業主のような仕事の受け方をすることになります。「簡単な仕事」ほど、その傾向が強くなり、契約も行わないままに、大きな責任だけ背負っているという事態に陥りかねません。

 「副業」という言葉の語感から、本業より甘く見ていいかのように考えがちですが、それは大きな間違いなのです。

(※1)一般社団法人日本経済団体連合会「2018年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」2019年1月22日発表

(※2)マイナビによるインターネット調査、2017年7月実施

参考書籍:
40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術
石田 淳 著 / 日経BP社

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンともに完走を果たす。著書に、『短期間で社員が育つ「行動の教科書」』(ダイヤモンド社)、『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(日経BP)など多数。

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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。