猛暑のなか、今年の全国高等学校野球選手権大会(高校野球)は幕を閉じました。今年で101回目を迎えた同大会は、私が子供の頃のそれとはずいぶん性格も変わってきたようです。

 かつては、部活動に打ち込んできた選手たちにとって「集大成(ゴール)」という意味合いが強く、まさに死力を尽くすのが当たり前と考えられてきました。

 しかし、今はむしろ、将来を嘱望される若者たちの活躍の場として注目が集まっています。当然のことながら、選手たちが潰れないようなマネジメントが求められます。

 今年の大会では、岩手県の甲子園代表校を決める決勝戦に、大船渡高校の佐々木朗希投手の登板が見送られたことが大きな話題になりました。結果的に大船渡高校は破れ、甲子園に行けませんでした。

 この決断を下した国保陽平監督に対し、賛否両論が巻き起こりました。

 自身もプロ野球OBであるベテラン解説者は「ケガが怖かったらスポーツはやめろ」と痛烈に批判しました。ほかにも、「投げさせるべきだった」という声があちこちから上がりました。

 一方で、「選手の将来を第一に考えた監督の判断は正しい」という意見もありました。その多くが、ダルビッシュ有氏など現役で活躍する選手たちからのものでした。

 ダルビッシュ氏は、「佐々木選手はそれで大成したとしても、甲子園に行きたかったほかのメンバーの気持ちはどうなるのか」という批判に対しても、「仲の良いチームメンバーが壊れても投げてほしくないでしょ」とツイートしています。

 私は野球については門外漢ですし、報道されている内容以外にも様々な事情があるかもしれませんので、軽々に意見をするつもりはありません。しかし、あの問題は、ビジネスのマネジメントについて深く考えるきっかけを与えてくれました。

 高校野球のような大きな大会で良い成績を残せば、学校にとってまたとない宣伝になります。当然、校長などのトップはそれを望むでしょう。企業で言えばマネジャーの立場である監督は、いい成績を残すことでトップに認められようと、ハイパフォーマーの選手に無理をさせたくなっても不思議ではありません。

 選手の方も無理をしたがるかもしれません。ハイパフォーマーではない大半の選手たちにとって甲子園は大事な青春の一ページ。そうした思いを背負ったハイパフォーマーは簡単には諦めるわけにはいかないでしょう。