そうしたなかで、少なくとも大船渡高校においては、「甲子園出場がかかった県大会決勝戦に佐々木投手を登板させない」という判断を、監督が下すことができています。会社組織に例えるなら、期待を一身に背負ったハイパフォーマーがすり切れる前に、マネジャーであるあなたが「○○君を休ませたい」と経営陣に言える状態だということです。そのこと自体は評価に値するでしょう。

 ビジネスでも、いまだに根性論を振りかざす上司は、たいていハイパフォーマー頼みです。彼らはミドルパフォーマーやローパフォーマーの底上げを図る論理的方法は何も持たず、具体的な指示を与えるでもなく、ただただ発破をかけています。そういう状況にあって力を発揮できるのは、勘で動けるハイパフォーマーだけ。それによって、ますますハイパフォーマーへの依存度が高くなってしまうのです。

 一方で、ビジネスの現場では、ハイパフォーマーは高校球児よりずっと気楽です。自分が酷使されていると感じたら、もっといい条件で他社へ移ることも可能です。それに、「ほかのメンバーのために」という足かせはありません。これからのマネジャーにとっては、いかにハイパフォーマーとそうではない人々とをバランスよく活躍させていくかが重要なのです。

参考書籍:
40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術
石田 淳 著 / 日経BP社

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンともに完走を果たす。著書に、『短期間で社員が育つ「行動の教科書」』(ダイヤモンド社)、『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(日経BP)など多数。

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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。