ある40代のマネジャーは、部下に対して「OK?」「大丈夫?」という言葉を多用します。

 「さっきの企画書の件、OK?」

 「取引先への報告の仕方、大丈夫?」

 「体調は? OK?」

 「その資料整理、ちょっと大変だけど、大丈夫?」

 こうして、いつも部下の状態を把握しているつもりでいます。

 しかし、上司からこう問われて、「いえ、NGです」「大丈夫ではありません」と答える部下はほとんどいません。本当は問題を抱えていても、上司のノリに合わせて「OKです」「大丈夫です」と言うしか選択肢はありません。つまり、彼の「OK?」「大丈夫?」は、むしろ部下を追い詰める結果になっているのです。

 実際に、「OKです」「大丈夫です」と元気に答えていたはずの部下が辞めてしまい、ショックを受けることが多々あります。

 部下たちが上司に求めているのは、行動に移せる具体的な指示です。

 日頃からあなたが口にしている言葉からスローガンを排除して、具体的行動を示してあげましょう。例えば、「お客様の立場になって考えろ」というような言葉を、より具体化する癖をつけてください。

 「お客様の立場になって考えろ」と言う時、あなたは部下にどんな行動をとってほしいのでしょうか。

 それが伝わっていないから、いつまでたっても部下は結果を出せないし、あなたは「なんでできないのか」とイライラしてしまうのです。

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンともに完走を果たす。著書に、『短期間で社員が育つ「行動の教科書」』(ダイヤモンド社)、『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(日経BP)など多数。

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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。