石田 淳
株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者

 100歳を迎えた高齢者に、国から銀杯が贈呈されることをご存じでしょうか。初めて贈られた1963年に受け取った人は153人だったそうですが、2016年には3万1747人。50年ちょっとで200倍に増えています。そのため、経費が膨らみ、これまで純銀製だったものが銀メッキに変更されました。

 今、日本には6万人を超える100歳以上の高齢者がいます。100歳なんて、珍しくもなんともないのです。

 それどころか、2030年には、日本人の平均寿命が100歳に到達するという研究もあります。となると、あなたも私も100歳を超えて生きる可能性があるわけです。あなたが、今35歳だとしたら、あと65年。おめでたいことではありますが、一方で、恐ろしい気もします。いったい、そのためのお金をどう準備したらいいのでしょう。

 神奈川県では、2016年の年頭記者会見で「人生100歳時代の設計図」という指針を公開しています。おそらく、大変な危機感を抱いているのでしょう。そんな超高齢化社会になったら、年金や医療など国の制度ばかりでなく、自治体単位で施行している様々な福祉制度が破綻するのは明らかです。だから、「元気に働く高齢者」でいてもらうために、いろいろな提案をしているのです。

 例えば、「社会の基本コンセプトを変える」という項目があります。

 そこでは、これまでの「60歳の定年後は老後」という認識を一掃し、100歳まで「生涯現役」でいることをすすめています。つまり、「長生きしてもらうのは結構だけど、そのお金は自分で用意しなければならないよ」と暗に言っているわけです。

 これをもってして、「県民に冷たい」というのは当たりません。県としても、できないことはできないわけで、こうして早く気づかせてくれるだけ親切です。

 これまでも「老後のお金」に関する書籍などはたくさん出版されていますが、たいてい80歳くらいまでの人生を仮定して書かれています。それを真に受けていて、80歳になった時に「お金がない」と慌ててもどうしようもありません。