来年(2019年)の4月からすべての企業に関して、有休(有給休暇)に関する新たな法令が施行されます。

 従業員の年間有休取得が5日未満だった場合、その従業員に対して会社が有休の取得日を指定することが義務づけられるのです。つまり、「従業員を何が何でも休ませる」という仕事が、会社や管理職に増えるわけです。

 対象となる従業員は「年間10日以上の有休の権利を持っている人」となっています。正社員の場合、入社6カ月が経過していて、かつ出勤率が8割以上であれば、この条件に該当します。ということは、ほとんどの従業員が対象となります。

 違反すれば、会社に30万円以下の罰金が科されます。

 来年の4月といえば、もう目の前です。しかし、この話題になるとどこの企業のマネジャーたちからもさえない反応が返ってきます。業務に支障を来さず、従業員が気兼ねなく有休を取得できる職場など、日本にはなかなかありません。そのため、マネジャーたちはどう対応していいか分からないのです。

 ある製造業の本社で働く30代後半のマネジャーは、「正月やゴールデンウィークなど、会社全体が休暇に入る時以外に、自分だけ休むのは気が引ける」と言っていました。彼が有休を取得するのは、風邪をひいて熱があるとか、子供の進学相談に同席するなど「休むしかない」状況に限られるとのことでした。

 「だから、僕も年に5日も消化していませんよ。となると、会社から無理に休まされる一人になってしまうのですかね。でも、いきなり休めと言われても困るんですよね。休めばその分、仕事が溜まってしまうし……」

 彼のようなマネジャー職はとても多いのですが、一刻も早い意識変革が求められています。

 理由はいくつもあります。

 まず、部下である若い世代はそういう上司を歓迎しません。彼らにとって当然の権利である有休を、「気を遣いながらでなくては取れないもの」にされることは迷惑なのです。

 また、会社の上層部からも喜ばれません。上層部は勝手なもので、これまでは有休など返上で働く人間を「あいつは頑張っている」と評価していたのに、いざ新しい制度が現実のものとなれば、「ちゃんと休んでもらわなくては会社が困るんだ」と手のひらを返します。

 それになにより、マネジャー自身がダメになってしまいます。

 有休の積極取得および有効活用は、日頃から激務をこなしているマネジャー職にとって、今後もいい仕事を続けるために必須です。

 私は遊びの予定を最優先し、年頭にそれを手帳に書き込み、ほかの時間を仕事に充てるようにしています。仕事をおろそかにしているのではなく、仕事で100%の力を発揮するためには、遊びが必要だと確信しているからです。

 私は普段から講演の依頼などを受けることが多いため、「休める時に休もう」と考えていると、どんどんスケジュールが埋まっていき、結局、休むことなどできません。だから、最初に遊びの予定を入れてしまうことが必要なのです。

 実は、勤め人でもそれは同様です。