総務省の調査では2014年には6587万人だった労働力人口が2020年に6314万人、さらに2030年には5800万人へと減少するという推定があります(※)。
(※)独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働力需給の推計―新たな全国推計(2015年版)を踏まえた都道府県別試算―」

 いくら人間に代わってAIが活躍してくれるとしても、このペースで労働人口が減少すれば、様々なビジネスが立ちゆかなくなることは明らかです。だからこそ、若い世代をいかにしてつなぎ留めるかが、経営者や管理職にとって最大の関心事となっているのです。

 今の若者たちが最も重視しているのは、お金ではなく「時間」です。彼らにとって「時間を奪われること」はパワハラに等しいのです。だから、無意味な残業などさせたらすぐに辞められてしまいます。

 それが分かっているからこそ、企業はこぞって働き方改革に力を入れているわけですが、多くの現場で「これ以上、工夫のしようもない」という声が早くも上がっています。

 しかし、私にはまだまだカットできるムダな時間があると感じられます。その代表例が「会議」です。

 企業の会議時間に関する調査は、様々な機関が行っています。その中の一つ、パーソル総合研究所と立教大学中原淳教授の共同調査では、会議に費やしている時間について以下のような結果が報告されています。

 一般従業員 1週間に3.1時間。

 係長クラス 1週間に6.0時間。

 部長クラス 1週間に8.6時間。

 あくまでこれは平均値であって、企業規模が大きくなるほど時間は長くなる傾向にあります。つまり、大企業の部長クラスでは、1日に2時間会議をしているなどというのは当たり前になっているわけです。

 そして、その感覚で若い従業員に接しているわけですから事態は深刻と言えます。

 私は最近、2人の若者から、それぞれの勤め先の会議について話を聞く機会がありました。

 食品メーカーの営業部に勤めるA君は、「その場で考える会議」に大きな疑問を抱いていました。緊急に開かれたわけでもないのに、上司も含め多くの参加者が自分の意見をまとめておかないままに会議に臨み、その場であれこれ考えては発言するというのです。

 「思いつきのようなことばかり言い合っていて、何か説得力のあるデータが示されるわけでもないし、本当にムダな時間だと感じます」(A君)