一時期、フェイスブックを使いこなしていた若者たちの関心が、今はすっかりインスタグラムに移行しています。フェイスブックでは、ある程度の量の文章が必要です。それに比べてインスタグラムは、たった一枚の写真で多くを語れます。効率を重視する若者たちにとって、インスタグラムは非常に使い勝手がいいツールなのです。

 もちろん、「インスタ映え」ばかりを追い求める風潮には問題もありますが、こうした時代にあって、若者たちはなおさら文字を読もうとしなくなっています。

 このことをよくよく考えないと、「仕事の標準化」を成し遂げるためのマニュアルづくりはうまくいきません。

 今の若者たちの文字離れは深刻です。

 もともとの読書家は、趣味の小説なども読み応えがある作品を好みますから、文字数の多いマニュアルなど苦にしないでしょう。しかし、そうした人はごく一部。仕事のためにしかたなくビジネス書を読んでいるような多くの若者は、文字はできる限り少ない方がよいと望んでいます。

 それは、マニュアルに関しても同様です。

 あなたの職場のマニュアルを、極限まで文字を減らしてみましょう。マンガで表現するというのも効果があります。

 理想は「絵だけで分かる」マニュアルにすることです。これができたら、日本語が分からない外国人労働者にも正しく伝えることができます。

 「いくらなんでも、そこまではできない」という声が聞こえてきそうですが、本当にそうでしょうか?

 今、2020年の東京オリンピックに向け、温泉、駅、病院、トイレなど、主要な施設の場所を知らせる表示マークについて、各自治体で見直しが検討されています。私たち日本人にはすぐに分かっても、外国人には伝わりにくいものがあるからです。

 これと同じ発想をビジネスのマニュアルにも持ち込み、なるべく絵だけで分かるようにすればいいのです。

 こうした斬新なマニュアルづくりに挑む時、大事なことはボトムアップで行うことです。本社の人事部など現場を熟知していない人間が「こうあってほしい」とつくったマニュアルは、どんなに親しみやすいマンガや図解が多用されていても伝わりません。

 あなたの部下の若者たちを集め、「AさんからB君へ、この作業を絵だけで伝えるとしたら、どんなふうに描けばいいだろうね」と一緒に考えてみましょう。案外、上司の立場では気づかなかったアイデアが出てくることでしょう。外国人に伝わりやすい表示マークをつくろうと思ったら、外国人に聞くのが一番であるのと同じです。

 もちろん、絵だけで表現できなければ文字でフォローするのもOKです。ただ、日本語と英語を併記することを意識しましょう。その時に英語の表現が簡単に思いつかないようだったら、まだまだその日本語も難しいということです。

 ポイントは、「絵が先にあって、フォローの言葉を添える」という順番です。「言葉が先にあって、フォローの絵を添える」だと、「なるべく絵だけで伝わるように」という意識が薄れてしまい、どうでもいい挿絵で終わってしまいがちです。