3カ月、連載を産休でお休みさせていただきました。無事に3児の母になりまして、約8年ぶりに、乳児と向き合う生活を過ごしています。

 穏やかで愛おしい時間ではありますが、私の場合、自らの意思で早期の復帰を希望しているため、7月に入り、周囲の人に助けてもらいながら、リモートワークを織り交ぜつつ仕事を再開しています。過去2回の出産は産休育休取得と仕事復帰をかなり明確に線引きした(線引きするものだと思っていた)ため復帰が遅くなりましたが、今回は多様なワークスタイルを取り入れることで早く復帰ができ、自分なりの働き方改革を体現しています。

 産休育休の期間をどの程度取るか。最近は1年間あるいはそれ以上が主流のようですが、一人ひとりが認められている範囲内で望む期間、望むスタイルで取れるといいですね。また、休職したことについて、申し訳ありませんと頭を下げてしまうのですが、後に続く人のことを考えると、詫びるだけでなく「ありがとうございました」と顔を上げて感謝を伝え、これから恩返しをしていけるようにしていきたいと思います。

 さて、前置きが長くなりましたが、産休中もよく相談を受けた内容を取り上げます。

 社員の言うなりに診断書を書いている、社員の病状を正確に評価していないように感じる、一方的に異動やハラスメントという言葉を書いてくる、職場が原因(個人の要因は無視して)だと断定してくる、始めから長期間(6カ月以上)の休職を診断してくる、コメントが曖昧で具体性に欠けるなどなど、社員が持って来た診断書の内容や社員から伝え聞く主治医の対応に不信感を抱いたことはありませんか?

 そんな時、「社員の主治医を変更させたいのですが、どこかお勧めの病院はありませんか?」というご質問をよく受けます。

 はたして、会社は社員の主治医を変更させることができるのでしょうか? 主治医選びに、どこまで関与していいのでしょうか?

 結論から言うと、会社が社員の通院先や主治医を変更させることはできません。

 一般的な診療である保険治療は、主治医―患者間の契約で成り立つので、患者(社員)に選ぶ権利があるからです。つまり、主治医は患者のものだからです。ですから、社員が主治医に不信感を抱いていたとしても、その社員の前で主治医を悪く言うことも避けましょう。社員の不安をあおってしまったり、主治医―患者の関係に悪影響を及ぼしかねません。場合によっては法に触れる可能性もあります。確かに、変更させたくなるような主治医や、明らかにお勧めできない医療機関もあるので、そのように感じる気持ちもよく分かるのですが、主治医の印象を社員の前で話す時は、言葉を選んで慎重に対応しましょう。

 では、会社は主治医選びに何も関与できないのかというと、そうではありません。もし、会社が社員の主治医選択に疑問を感じる、あるいは社員が受診先に悩んでいるようであれば、次の方法があります。

 会社として信頼している医療機関や医師の情報を、社員へ伝えましょう。変更を強制するような言い方はいけませんが、社員を思っての情報提供という形であれば問題ありません。むしろ社員にとっても有益な情報となるでしょう。日頃から顧問契約や提携している医療機関があれば、その情報を伝えても構いません。社員への伝え方の例を挙げます。

× 「主治医の●●病院は評判が悪いようだが大丈夫か? ●●病院の●●先生が信頼できるから、行ってみなさい」

 「(病院の情報を提示して)●●病院は過去に通院していた人からの評判が良かったよ」

 「ここの病院は会社が信頼している病院だから、もし良かったら行ってみてはどうか」