<規程を策定しましょう>

 このように、事例ごとに対応は複雑です。毎回取り扱い方を検討することも大切ですが、事業場として一定の取り扱い規程を予め決めておくと、対応のばらつきがなくなり、適切な対応に役立ちます。

 ぜひ、皆さんの職場でも「健康情報の取り扱い規程」の作成を検討してください。ポイントは、まず健康情報の管理責任者を選任すること、衛生委員会での審議を通じて労使間でよく協議すること、そして職場の産業医の意見を求めて策定することです。

 もしご自身の情報ならば、健康情報をどのように取り扱ってほしいでしょうか?

 こうした情報を使う立場、使われる立場、双方の立場になって考え、ルールを決めて、皆が安心して健康情報を活用できる職場を目指しましょう。

 最後に、読者の皆さんに大切なお知らせがあります。

 2013年から6年近く続けてきた当連載は今回をもって終了することとなりました。

 ここまで続けることができましたのは、ひとえにご愛読いただいた皆様のおかげでしかありません。そして当時、執筆の機会をくださり、その後も温かくサポートしてくださった日経BPの方々へ心より感謝申し上げます。また、別の形で皆様にお役に立てるような情報を発信して参りたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

石井 りな(いしい・りな) 精神科専門医、産業医 / フェミナス産業医事務所、株式会社プロヘルス 代表
石井 りな

 千葉大学医学部卒。総合病院にて研修後、精神科病院や精神科クリニックに勤務。並行してうつ病リワーク施設や企業向けメンタルヘルス支援機関を経験。精神分析・力動的精神療法、認知行動療法などの精神療法も学ぶ。診療や企業での経験を通じて、従業員の健康対策は企業の生産性を高めるうえで必要不可欠だと確信。「健やかに活き活きと仕事に挑戦し続けられる社会」を目指し、精神科産業医の立場から企業を支援したいと思い、女性医師を中心にフェミナス産業医事務所を設立。現在、多くの企業で産業医として活動する傍ら、大学で費用対効果の高いメンタルヘルス対策についての研究も行っている。
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フェミナス産業医事務所

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。