池照 佳代
アイズプラス 代表取締役

最高のリーダーは何もしない―――内向型人間が最強のチームをつくる!
最高のリーダーは何もしない―――内向型人間が最強のチームをつくる!
藤沢 久美 著 / ダイヤモンド社 / 1,512円(税込) / 216ページ

 私は「内向的である」「心配性である」「傷つきやすい小心者である」、自分がこれに当てはまると思う組織人は少なくないはずである。そしてその多くが、現在組織をリードする立場、または将来的にリーダーの仕事に就く予定かそれを期待されているのではないだろうか? 本書はそんなリーダーやリーダー予備軍の方々に向けた応援が詰まった1冊である。

 著者の藤沢氏は20代で自ら起業し、経営者となり、以降活動の1つとして世界中の1000人を超えるリーダーとインタビューなどを含めた交流をもっている。その中で彼女の気づきの1つが「優秀なリーダーほど『リーダーらしい仕事』を何もしていない」ということである。

 この「リーダーらしい」が表すものこそに、誤解があるのかもしれない。つまり、カリスマ的な存在で人を引きつけ、逆境をものともせず、メンバーを動かして崇高な目標を次々と達成していく、そんなイメージをリーダーたる人に勝手に期待していたところがある。

 私もかつてはそんなリーダー像を自分の上司や自社のリーダー層採用には期待をし、そしてその姿とはほど遠い自分自身に対し勝手に落胆していた時期がある。よくよく落ち着いて周囲を見渡せば、いわゆる「リーダーらしい」リーダーは非常に少ない。周囲から尊敬を得て、その人が不在でもメンバーが自律的に仕事に向かい、チームが改善や課題に向けて自発的に動いている「リーダー」は、本書が示すように「リーダーらしい」仕事をしていないケースが多い。

 私と同じような勝手な思い込みで「リーダーらしい」リーダー像を追い求め、自身の資質や言動がそれに遠いことに勝手に“自分はリーダーに向かない”と決めつけたり、落ち込んだりしている方に本書をお勧めしたい。本書に紹介されている経営者や組織リーダーが示す従来の基準からみれば“リーダーらしからぬ”姿勢や言動の具体例には、多くの方が思わず共感する部分がどこかにある。

 自社のリーダーを選抜、育成する人事・人材育成担当者、自律したフラットな組織でメンバー一人ひとりがリーダーシップの発揮を期待される組織メンバーにも、一度手に取り、あらためて「リーダー像」について考察の参考としてほしい一冊である。

参考書籍

『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』
岩田 松雄 著 / サンマーク出版 / 1,512円(税込) / 254ページ

池照 佳代(いけてる・かよ) 株式会社アイズプラス 代表取締役
池照 佳代

 約14年間、マスターフーズリミテッド、フォードジャパン、アディダスジャパン、ファイザー等で一貫して人事を担当。2006年法政大学経営大学院在学中に同社を設立。人材・組織開発コンサルタントとして、企業向けに人材採用・教育、人事制度設計支援・コンサルティング、ダイバーシティ・女性活躍推進施策企画、エグゼクティブコーチング、EQ(感情知性)開発支援を提供している。加えて、NPO法人キーパーソン21(キャリア教育の全国普及)理事、NPO法人IC(インディペンデントコントラクター)協会理事として活動。キャリア、働き方、起業支援や講演も多数。CDA(キャリアデベロプメントアドバイザー)、EQGA公認トレーナー。SEI EQプラクティショナー・アセッサー(国際認定資格)。The Bob Pike Groupプロフェッショナルトレーナー。
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●ブログ http://isplus1.hatenablog.com/
●フェイスブック @iketeruisplus

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。