目的の表現を変え、デザインに反映させる

 このように研修の目的を表現し、それを研修のデザインに反映させます。

 「社内の各部署の役割を知る」という目的にしていたら、説明を聞くだけで終わる可能性もあるでしょう。それでは理解できたかどうかの確認も難しくなります。ですが、「新製品の開発から発売までのプロセスにおいて、各部署がどのように関わるかを説明できるようになる」という目的にすると、それを考え、アウトプットしてもらう時間が必要です。そして、正しく理解できているか検証することも可能になります。

 「自社のこと(ビジョン、行動指針など)を理解する」というのが目的であれば、理解したかどうかの確認テストなどを行うことを考えるかもしれません。ですが、「自社の強みや企業文化について、後輩に分かりやすく説明ができるようになる」ということを目的とするのであれば、後輩に向けてどう説明するかを考え、話す練習をする時間が必要になります。

 ぜひ一度、自社研修が単に知識を得ることだけが目的になっていないか、もっと効率的・効果的な方法で同じ知識を得ることはできないかを検証してみてください。そして、研修をより有意義なものにするために、研修だからこそ実現できる目的、知識のインプットの先に何を求めるかを目的に設定されることをおすすめします。

 もちろん、目的が変われば、それを達成する研修のデザインも変わります。ご参考になれば幸いです。

参考書籍:
講師養成講座で活躍する著者 中村 文子氏が、講師のスキルアップのためのノウハウをまとめた本
講師・インストラクターハンドブック
中村 文子、ボブ・パイク 著 / 日本能率協会マネジメントセンター

中村 文子(なかむら・あやこ) ダイナミックヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
中村 文子

 大阪府出身、神戸市外国語大学 外国語学部 英米学科 卒業。マイクロソフト株式会社名古屋営業所 勤務を経て、P&Gジャパン、ヒルトン東京ベイにて人材育成・組織開発に従事。2005年より現職。2006年にASTDのカンファレンスで人材育成の世界的権威、ボブ・パイク氏のセッションに初参加、大きな衝撃を受ける。トレーナー認定のプロセスを経て、2007年秋、日本人初のトレーナーとして認定される。専門分野は、トレーナー養成、ホスピタリティ、管理職研修、ビジネスコミュニケーションスキル研修など。ホテル業界、製薬会社、電機メーカーなどの業界で、活動中。早稲田大学エクステンションセンター、日経ビジネススクール、日本能率協会にて、講師実績あり。
●ダイナミックヒューマンキャピタル
http://www.d-hc.com/
https://www.facebook.com/DynamicHumanCapital/
●中村文子ブログ
http://www.d-hc.com/blog

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。