短時間だからこそ重要になる研修デザイン

 ではどのようにすればよいのでしょうか。

 大切なのは、伝えたいと思う内容に優先順位をつけることです。

・しっかりと理解して何かに活用してほしいことは「重要項目」。
・余力があれば理解してもらいたいことは「補足」。
・必要な時に参照してもらえればよいことは「参考資料」。

 「どれも知ってもらいたい」と思うかもしれませんが、受け手には情報を受け止められるキャパシティーがあります。その限られたキャパシティーを踏まえて、何を入れたいかを判断して振り分けるのは伝える側の責任です。

 そして研修の限られた時間を使うのは「重要項目」のみです。「伝えなくてはいけないことが他にもある!」と思うかもしれません。ですが先述の通り、伝えたからといって、相手が学んだとは限りません。「聞いても覚えていない」ことが非常に多いのです。相手が覚えていなければ、残るのは「伝えた」という講師の自己満足や安心感だけです。

 重要項目については前回のコラムでお伝えした通り、知るということより先に目的があるはずですので、それを特定します。つまり知識のインプットが目的だと思ったとしても、本当はそれが目的ではなくその先があるのです。限られた時間であれこれ欲張って「紹介」だけしても何も残りません。限られた時間だからこそ、一点集中で、確実にした方が成果を得られることが多いのです。

興味を引き、記憶にとどめるテクニック

 何かを理解するだけでなく、判断できるようになることを目的に研修をデザインするとしましょう。限られた時間の中でどんなことが可能でしょうか。

 お勧めテクニックの1つが「真実か伝説か」です。

 あるテーマについて書かれた文に対して、「真実(正しい)」か「伝説(そう聞くことはあるかもしれないが都市伝説、つまり真実ではない)」のどちらかを判断してもらい、解説するという手法です。

 例えば、私が趣味で勉強している「犬の手作りごはん教室」というテーマで書かれた文で考えてみましょう。こんなふうに進めます。

 「次の文が、真実か伝説かを隣の方と予想してください。3分後に解説します」

1.犬はドッグフードを食べるのが一番安全である。
2.犬はドッグフード以外のものは食べない方が健康によい。
3.犬に人間の食事を食べさせると病気になる。
4.犬は肉食なので、肉を食べていればよい。
5.犬は雑食で、肉や魚、野菜、穀物をバランスよく食べるのがよい。