隣の方と話し合ってもらい、3分後に、それぞれの文が正しいかどうかを解説します。こうすると、解説の内容自体はもともと「伝えたい」「理解してほしい」と思っていたことと変わらなくても、参加者の受け止め方は大きく変わります。

 参加者は自分たちの答えが合っているかどうかが知りたいので、興味を持って聞いてくれます。そして、「合っていた!」「間違っていた!」「意外!」という感情を伴うので、記憶にも残りやすくなります。また、正解が多かったものは説明を短縮することができるので、効率良く進められます。

 さらに、資料を読んでほしければ、最初の3分を長くして資料を読んで考える時間にすることもできます。そうすることで「後日ご参照ください」とだけ紹介するよりずっと印象に残り、実際に参照してもらえる率が高まります。また予想だけで答えるより深く考え議論することができるので、より質の高い解説時間にすることもできます。

 このようにデザインを工夫することで、興味を持って参加してもらい、焦点を絞って理解を深め、記憶にとどめ、実践してもらえる率を高めることが可能なのです。

 先日ある社内講師の方からのコメントが印象的でした。

 「これまでは興味を持ってこちらに注目してもらおうと思って、声を張り上げたり、ランダムに指名したりしていました。これからは今回学んだ方法をいろいろ実践していきます」

 社内研修は、こうした様々な手法を取り入れることで成果を大きくし、目的への貢献度を高めることができます。ぜひ、ご参考になさってください。

参考書籍:
講師養成講座で活躍する著者 中村 文子氏が、講師のスキルアップのためのノウハウをまとめた本
講師・インストラクターハンドブック
中村 文子、ボブ・パイク 著 / 日本能率協会マネジメントセンター

中村 文子(なかむら・あやこ) ダイナミックヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
中村 文子

 大阪府出身、神戸市外国語大学 外国語学部 英米学科 卒業。マイクロソフト株式会社名古屋営業所 勤務を経て、P&Gジャパン、ヒルトン東京ベイにて人材育成・組織開発に従事。2005年より現職。2006年にASTDのカンファレンスで人材育成の世界的権威、ボブ・パイク氏のセッションに初参加、大きな衝撃を受ける。トレーナー認定のプロセスを経て、2007年秋、日本人初のトレーナーとして認定される。専門分野は、トレーナー養成、ホスピタリティ、管理職研修、ビジネスコミュニケーションスキル研修など。ホテル業界、製薬会社、電機メーカーなどの業界で、活動中。早稲田大学エクステンションセンター、日経ビジネススクール、日本能率協会にて、講師実績あり。
●ダイナミックヒューマンキャピタル
http://www.d-hc.com/
https://www.facebook.com/DynamicHumanCapital/
●中村文子ブログ
http://www.d-hc.com/blog

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。