一時的なモチベーションダウンは、研修前に要因があるかもしれない

 いつもは前向きな人が、研修の場であまりモチベーションが高い状態に見えない時は、研修以前に何か要因があった可能性もあります。

 例えば、
●プライベートで何か大きな懸念がある
●研修の目的や意図がきちんと伝わらないままに参加している
●研修に対して、上司が否定的な発言をしていた
●上司が全く興味をしめさない

 というようなことがあると、基本的には前向きな人であっても、ネガティブな影響を受けても仕方ありません。

 研修の場だけで解決しようとせず、研修前後も大きくプロセスとして捉え、上司をどう巻き込むかも企画する必要があります。これには、講師と担当者の協力体制が大切です。

 具体的には、以下のような働きかけをします。
●研修の目的や意義を上司から伝えてもらう
●研修で何を習得するかのイメージを具体化してもらう
●研修で学んだことを実践する場面を具体的に想定し、合意しておく
●上司は参加者(部下)の成長を支援することを表明し、実際に支援する

 こうしたことが行われて当日を迎えた参加者は、モチベーションを高く持って参加できると容易に想像できるのではないでしょうか。

 以上、「やる気がなさそうに見える」参加者について考察してきました。講師も担当者も、先入観を持たず、ニュートラルに、客観的に状況を分析することが求められます。

参考:中村 文子氏の書籍
研修デザインハンドブック
中村 文子、ボブ・パイク 著 / 日本能率協会マネジメントセンター / 3,024円
社内講師の方や、すでに研修講師をしている方、教員、研修を企画する立場の方にインストラクショナルデザインのノウハウをまとめた本。
講師・インストラクターハンドブック
中村 文子、ボブ・パイク 著 / 日本能率協会マネジメントセンター / 3,024円
講師のスキルアップのためのノウハウをまとめた本。

中村 文子(なかむら・あやこ) ダイナミックヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
中村 文子

 大阪府出身、神戸市外国語大学 外国語学部 英米学科 卒業。マイクロソフト株式会社名古屋営業所 勤務を経て、P&Gジャパン、ヒルトン東京ベイにて人材育成・組織開発に従事。2005年より現職。2006年にASTDのカンファレンスで人材育成の世界的権威、ボブ・パイク氏のセッションに初参加、大きな衝撃を受ける。トレーナー認定のプロセスを経て、2007年秋、日本人初のトレーナーとして認定される。専門分野は、トレーナー養成、ホスピタリティ、管理職研修、ビジネスコミュニケーションスキル研修など。ホテル業界、製薬会社、電機メーカーなどの業界で、活動中。早稲田大学エクステンションセンター、日経ビジネススクール、日本能率協会にて、講師実績あり。
●ダイナミックヒューマンキャピタル
http://www.d-hc.com/
https://www.facebook.com/DynamicHumanCapital/
●中村文子ブログ
http://www.d-hc.com/blog

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。