中村文子
ダイナミックヒューマンキャピタル代表取締役

 研修参加者と講師のコミュニケーションはもちろん大切ですが、参加者同士のコミュニケーションも同様に大切です。参画型の研修、アクティブラーニング、双方向など、いろいろ表現はあります。参加者同士がお互いのアイデアや経験を共有できるのが大きな利点です。今回はその「参加者同士」のコミュニケーションについて、何人のグループで行うのがよいのかについて考察します。

 まず他の人とコミュニケーションを取るからには、1人ではできませんので、最少人数は2人ということになります。そして最多人数は、その日の研修に参加している全員で一斉にということになります。2人から全員まで、特徴や注意点などを整理していきます。

短い時間でもワークができる2人ペア

 自分以外の人が1人しかいませんので、学習環境としては最も安全な単位です。研修参加者は、自分の意見や考えなどを発言する際、「こんなことを言っても大丈夫かな」「間違っていないかな」「わかってないのは自分だけかな」「他の人についていけてるかな」など、いろいろなことを心配しながら話をしている人が、意外に多いものです。話す相手が1人というのは、そうしたプレッシャーは最小限に抑えられるため、学習環境としては最も安全といえます。

 次に、話に参加しない時間がない、コミュニケーションが密である、ということが挙げられます。後に述べますが、数名というグループになってくると、他の何名かが積極的に発言している間、ちょっと引いた感じで聞き役に回ったり、自分の考えを整理したりすることができるのですが、2人の場合は常にお互いに関わりを持たざるを得ないので、そうした沈黙する時間を取ることが難しくなります。

 最後に、時間を短縮できるというのも特徴です。数名のグループであれば、全員が発言し、まとめ、……ということに時間がかかるものですが、2人ですと、その時間が短くて済みます。

 したがって、2人のペアワークに向いているのは、誰かとコミュニケーションを取ることをしたいけれども短時間で終わらせたい場合、じっくりと本音で話してほしい場合、研修開始直後などまだ緊張感が高い時の自己紹介などです。

 注意したいのは、常にペアにしないことです。短時間で手っ取り早いからといって常にペアワークにしてしまうと、自分の考えを整理する時間を取れなかったりして、ストレスに感じる人が出てきます。また、ペアの相手を固定しないことも大切です。組み合わせによっては、相性が悪いペアができてしまう場合がありますので、ペアで話すにしても、いろいろな人とペアになるように組み合わせを変えていきましょう。