パブリックスピーキングは習得しうる “スキル”

 海外で通用するパブリックスピーキング、というと、英語を勉強しなければ!と考える人が多いものです。しかし、ノンネイティブである私たちにとって、ネイティブと対等に話せる英語力を養うのは至難の業。一方でパブリックスピーキングは、習得しうる“スキル”です。

 パブリックスピーキングの極意は、聞いている相手がたった一人の営業相手でも、何百人の聴衆でも、彼らの心を捉えて放さず、心を大きく動かす、ということです。実はそこに言語力はあまり必要ではありません。どの言語を使う場合でも、パブリックスピーキングのスキルの上達にフォーカスすることで、今あなたが持っている言語力のままで、異文化の人相手でも、格段に伝わりやすいスピーチを実現することができるのです。それこそが、グローバル・パブリックスピーキングです。

 本コラムでは、グローバル・パブリックスピーキングのコツをご紹介していきます。

 先日、”Lady and the Champs”という、プロフェッショナル・スピーカーのためのパブリック・スピーキングのブートキャンプに参加してきました。Ladyとは、アメリカ在住のイギリス人で、全米プロスピーカー協会からHall of Fameの称号を受けているパトリシア・フリップ。

 Champsとは、トーストマスターズの国際スピーチコンテスト世界チャンピオンに輝いた、マーク・ブラウン(1995年)、エド・テイト(2000年)、ダレン・ラクロイ(2001年)です。その他、人気コメディアンで、ユーモアスピーチのエキスパートであるケビン・バークや、オンライン・マーケティングのエキスパート、フォード・シークスが加わり、2日間にわたるワークショップが行われました。

 スピーチ界の大御所たちから学ぶことが多かったのはもちろんのこと、このブートキャンプの特徴は、世界8カ国から120名強集まったプロスピーカーである参加者同士がディスカッションを行ったりフィードバックを行ったりしながら共に学び合う機会があることです。

 今回は、筆者自身の復習も兼ねて、このブートキャンプから学んだことをピックアップして簡単にまとめてみたいと思います。

ダレン・ラクロイの 1-2-3の習慣

 Old school needs new school, or you’ll be out of school.

 このキャッチフレーズから始まったダレンのレクチャー。比較的年齢層が高いプロスピーカーたちが集まるなか、「古い人たちも新しいことを学ばないといけない」というメッセージが、ダレンらしい韻を踏んだキャッチフレーズに込められており、冒頭から参加者の気を引き締めます。

 ダレンは、自分の目標、例えば、プロスピーカーとしての登壇で今年○○ドル稼ぐ、というような具体的な目標に向かうために、「1-2-3」の習慣をつけよう、と呼びかけ、ブートキャンプの間中、「あなたの1-2-3は何か?」を問いかけ、ブートキャンプ1週間後にも、「1-2-3を実践しているか?」と継続してフォローアップをしていました。

 「1-2-3」とは、
●1日に1つのアクションを
●週に2回
●3週間
続けて行おう、というものです。

 3週間、つまり21日間続いた習慣は、身につきやすいといわれています。自分で目標を立て、それをやり抜くことの大切さを強調していました。どんなに成功しているプロスピーカーでも、やはり日々の小さな努力の積み重ねがあっての成功なのだ、とあらためて感じさせられました。