三菱地所ホームが提案するのは、全館空調システムをIoT機器と連動させて制御することで、「高齢者・障がい者等の自立支援」「健康管理の支援」「防犯」「家事負担の軽減」など多くのテーマをトータルに実現しようというもの。さらに、新型コロナ感染拡大の影響でクローズアップされた「働き方改革」や「在宅勤務」などへも対応する。

 三菱地所ホームは、全館空調とIoT機器の連携から、新たな居住者のベネフィットを生み出すことを目標としている。特に注目されるのは、新型コロナ感染拡大において、在宅勤務時間の増大というライフスタイルの変化への対応だ。

「全館空調付IoT住宅」の普及型モデルケースのトータル提案(資料:三菱地所ホーム)
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 在宅勤務が増えると、複数の居住者が同時に長く宅内に滞在する状態になる。そこで、全館空調でありながら、それぞれの好みに合わせて部屋ごとに温度コントロールを行うことによって、在宅時間のクオリティーを上げ、体調を管理して在宅ストレスを軽減すること目指す。

 さらに、在宅時間が長くなることによる光熱費の増加を抑えるために、エネルギー消費の見える化、スケジュール制御、設定目標値の超過アナウンスを行う。また、シャッターの開閉や照明の自動オン・オフを行い、仕事と生活のモードを区別して作業効率を高めることができるようにする。

 このほか、地球環境の変化への対応として、地球温暖化対策と自然災害への対応を挙げる。在宅勤務の快適性とも関わるが、猛暑による宅内での熱中症を防止して健康に過ごすために、温度の見える化によって自分に合った温度設定を行う。この際、エネルギーの見える化やスケジュール制御を併せて行うことで、さらなるエネルギー削減につなげる。

 また、外出時に台風や暴風が発生しても、外出先からシャッターを閉めることができる。地震・台風・暴風時にはテレビドアホン・屋内外カメラで部屋の様子、屋外周辺状況等を確認することも可能だ。こうして人と家をつなげることで、外出先での不安を解消する。

HEMSデータのほか住まい手へのアンケートで課題を把握

 令和2年度中にシステムを構築し、令和3年度に新築物件35棟で実証を行い、3年目の令和4年度にはデータ分析・アンケート調査を実施する予定だ。実証内容については、IoTシステムの活用状況の確認、課題抽出のためのアンケート調査、HEMSによる室内温湿度環境のデータ収集や分析を行う。

 三菱地所ホーム・商品開発部 環境技術開発グループの村上剛志氏は「検証においては、入居者の属性について整理・把握したうえでデータ分析を行う。そうすることで、課題把握や住まい方の提案に結びつけられるのではないか」と話す。

 これらの結果は、モデルハウスなど体感できる施設において、見学会やウェブサイトでの情報提供を行う予定だ。