LIXILが提案するのは、スマートホームシステム(IoT)によって自動的に室温や空気質の管理をすることで、熱中症対策・健康管理を行うという取り組み。スマートホームに組み込まれたセンサーや制御アイテムを用いて、自動的に室温管理、換気を行うなどして、豊かで快適な住生活を実現し、システムの有効性を実証するという提案だ。

 消防庁の報道発表資料によると、熱中症は4割以上が家の中で発生。家の中で熱中症が発生した年齢別の割合は、約4分の1が小さな子ども、半分以上が65歳以上であるという。高齢者・障害者は、自分で熱中症の症状に気づきづらい。

 また、適切な換気を行わないと、住宅内のCO2濃度が高まる恐れがある。一方で、換気の管理を行えば、新型コロナウィルス感染の危険性を低減できる。

 こうした観点から、スマートホームシステムによって自動で温熱環境・換気を管理することで居住者の快適性を高め、健康管理を行うのが実証の目的だ。

スマートホームシステムを活用した健康管理の実証(資料:LIXIL)
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 住宅に潜むこれらの課題に対応するため、LIXILでは埼玉県熊谷市をはじめ各地の自治体と協同で「クールdeピースPROJECT」という試みを行っている。これは、室内熱中症予防を啓発する取り組みだ。

 さらに「IoT・スマートホームシステム」の技術によって、「人・モノ・情報がつながることで、より便利で安心な暮らし」の実現を目指す。

熊本県長洲町と包括連携協定を結び実証実験

 このプロジェクトの大きな特徴は、LIXILが同社の有明工場のある熊本県長洲町と包括連携協定を結び、実証を行う点だ。

 新築と既築の住宅で実証実験を計画しているが、新築は建築中の町営住宅11戸を利用する。既築については、長洲町の広報誌で14戸のモニターを募集する。自治体と連携して実証実験を行うことで、モニターとなる住民・住宅を確保するとともに、モニターとなる住民に安心感を与える効果が期待できるという。

 検証については、新築・既築ともにモニターとなる住宅にIoT機器を設置したうえで、「IoTの無い生活」と「IoTのある生活」を行ってもらい、データの収集・モニターのヒアリングなどからその効果を確認する。

 LIXIL LHT-Jデバイス事業部デバイス商品開発部第三開発室室長の倉林慶太氏は「この実証実験の結果を踏まえて、建材・住設と先進的なIoTデバイス、さらに地域コミュニティやサービスともリンクすることで、より良い暮らしを実現したい」と語る。