千葉市の海浜ニュータウンを拠点として、市民・公共団体・企業・大学が連携して長年にわたって地域再生に取り組んできた「特定非営利法人ちば地域再生リサーチ」。団地の高齢者などの居住者の生活用品の配達・管理について、「ホームファシリティ・マネジメント」を開発・実証・普及させることで、暮らしの支援を行う提案だ。

 高齢期になると、物忘れがひどくなったり外出が億劫になったりすることから、生活用品の管理がままならず、狭い団地暮らしの生活空間が圧迫されて生活の質を下げてしまうことがある。また、5階建てでエレベーターがない共同住宅は、置き配スペースが取りづらく、宅配業者にとっては不在時の再配達の負荷も課題だ。

 こうした課題に対して、ホームファシリティ・マネジメント機器、宅配ボックスの開発・実証によって、高齢者などの暮らしの支援を行い、家事負担の軽減、物流効率化などを図る。

IoTホームファシリティ・マネジメントの開発・検証(資料:ちば地域再生リサーチ)
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NPOを核に関連企業・住民を巻き込み開発・実証

 「ファシリティ・マネジメント」は、建設業界やビルマネジメント業界で使われている在庫管理の用語で、その頭に「ホーム」という言葉を付けた。ファシリティ・マネジメントを住宅に適用する仕組みを目指す。

 実証事業は、「NPOちば地域再生リサーチ」「日本総合住生活株式会社」「ヤマト運輸株式会社地域共創推進部」の3社共同で行う。特に、配送分野での合理化課題に関しては、ヤマト運輸のサポートを受けて事業を推進する。

 事業の核となるIoTホームファシリティ・マネジメントシステムについては、「コンピュータータイプ」と「携帯タイプ」2種類の機器の開発を行う。小型でリーズナブルであることや、アプリのデータ入力方法の簡易化・多様性などを目標に開発を進め、生活用品の整理、管理の合理化に役立てたい考えだ。

 宅配ボックスについては、初年度はモックアップを作成して、展示会場をつくったうえで、住民に実際に見て体験してもらう。次年度に設置・実証を行う予定だ。

 長年、地域に入って活動を続けてきたNPOであることから、地域住民また地域に関連する企業と連携しながら、システムの開発・検証・普及が可能となるのが特徴だ。

 ちば地域再生リサーチ顧問の服部岑生氏は、「展示会場で住民に周知しつつ、ヒアリングなどきめ細やかにニーズを把握することで、効果の高いサービスにしたい」と語る。