東京電力は、「IoT技術を活用した防災・減災の実現」を目的として、「電気火災の未然防止」「防災情報配信」の2つをテーマに行う実証を提案する。実住宅での検証を通して、実フィールドでの技術の精度や便益性について確認し、災害という社会的課題の解決を目指す。

 本事業では、各住戸にある分電盤の中に電力センサーを設置する。

 電力センサーの機能は2つある。1つは「電流センシング機能」。電力センサーで測定した電流波形情報を分析し、電気設備の異常予兆として発生する微弱なノイズ波形を検知する。AIによる家電分離技術によって、住宅全体の電気使用状況から、家電製品ごとの使用状況を把握する「電気の見える化」も可能だ。

 もう1つが「IoTデバイス連携機能」だ。エアコンなどの家電製品や、蓄電池・エコキュートなどの住設機器、さらには防犯センサーといった、住宅内の様々なIoT機器と連携できるゲートウェイ機能を備える。

宅内IoTを活用した防災・減災サービスの実証(資料:東京電力ホールディングス)
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東京都足立区と実証事業の協定を結びモニターを募集・検証

 「電気火災予兆検知」については、分電盤内に設置した電力センサーにて電流波形を常時測定し、データをサーバーへ伝送する。このデータを、AI技術を活用して「電流波形分析」する。電気火災の一因とされる「トラッキング現象」を把握して、東京電力から住まい手に危険を連絡し、原因調査を行う。電気火災を未然に防ぐのが狙いだ。

 「防災情報配信」については、電力センサーを「通信ハブ」として活用する。行政からの防災情報を東京電力のサーバーで受け取り、電力センサーを介してモニターの住宅内に設置するタブレット機器へと転送する。確実な情報伝達を行うために、タブレット機器への通知は、文字による画面表示に加えて、着信音や読み上げによる通知も検討している。

 事業検証に当たっては、東京都足立区と東京電力ホールディングス、東京電力パワーグリッドの三者で、本実証事業についての協定を締結し、実証モニターの募集・調整を行う。

 東京電力ホールディングスの髙田将吾氏は「この実証実験から得られたデータやニーズから、さらなるシステムの改善や、防災サービスの発掘につなげていきたい」と語る。