シンポジウムの第2部では、気鋭のIoTサービス事業者による最新技術紹介が行われた。登壇したIoTサービス事業者は10社。1社につき5分という短い登壇時間の中で、それぞれが自社サービスと住宅業界との事業者連携についてアピールした。後編では前編に引き続いて登壇した5社のプレゼンテーションの様子をリポートする。モデレーターはテクノアソシエーツの宮嵜清志氏が務めた。(前編はこちら)

  • 【登壇事業者】
    • 井出 清氏 VALUECARE 代表取締役
    • 福澤 匡規氏 ビットキー 共同創業者 代表取締役COO
    • 鈴木 裕一郎氏 ユカイ工学 取締役 COO
    • 滝沢 潔氏 ライナフ 代表取締役
    • 河千泰 進一氏 リンクジャパン CEO
  • 【モデレーター】
    • 宮嵜 清志氏 テクノアソシエーツ 取締役副社長
宮嵜清志氏
テクノアソシエーツ 取締役副社長

――引き続き、IoTサービス事業者の方々に、プレゼンテーションを行っていただきます。終了後に、私から質問させていただく構成も前半と同様です。それでは、よろしくお願いします。

最新技術6
見守りデバイス「TECHCARE」/ VALUECARE
https://valuecare.co.jp/

井出清氏
VALUECARE 代表取締役

井出:VALUECAREは、少子高齢化が進む日本において、世の中から高齢者の孤独死をなくすことに取り組んでいます。65歳以上が国内総人口の3割に迫る超高齢化社会。その中でも約26%、672万人もの高齢者が一人暮らしをしています。高齢者の一人暮らしが増えるのに比例して、残念なことに孤独死も増えており、東京都23区だけでも年間3000人以上の高齢者が孤独死で亡くなっています。人口比を鑑みるに、全国ではその10倍の数が想定されています。

 家族の悲しみはもちろんのことですが、孤独死は賃貸住宅において平均90万円以上の解決費用が発生するなど、社会、行政にとって大きな課題となっています。高齢者自身もおよそ45%以上の方が、孤独死の不安を感じながら生活しています。離れて暮らす家族のおよそ68%が、孤独死を防ぐ見守りシステムの導入を検討しているというデータもありますが、実際の導入率は8%程度に留まっています。

 離れて暮らす家族の多くが導入を検討しながら、なぜ実際の採用が進まないのでしょうか。ポイントは二つあります。まずはコストです。通常、独居高齢者が住む住宅にはインターネット回線がないので、別途、回線を引き込むか、回線組み込み済みのシステムを用意する必要があり、総じてコストが高くなります。次にメンテナンスの問題です。ルーターの再起動、電池交換など、高齢者が苦手とする電子機器のメンテンスを誰が行うのかという点が解決されていません。

 コストとメンテナンスの問題を解決すべく、VALUECAREは国内初となる新しい見守りシステムを開発しました。鍵となったのは通信方法です。弊社は通信にIoT用回線、「Sigfox」を採用しました。Sigfoxは年間通信費100円からとコストが低く、Wi-FiやSIMが不要なので扱いやすいという特徴があります。消費電力が少ないこともメリットです。このSigfoxを使った高齢者見守り技術は国内初となります。

 この技術を用いた見守りデバイスが「TECHCARE」です。設計はVALUECARE、製造は米アップルの製造パートナーとして知られる台湾のメーカー、Wistron(ウィストロン) 社が手がけました。環境にやさしい充電式のデバイスで、最大2年間連続で稼働するなど非常にハイクオリティの仕様です。

 TECHCAREは、押しボタンによる能動的見守りと、振動センサーによる受動的見守りを、状況に応じて使い分けることができます。例えば、高齢者が元気で見守りに協力してくれる場合は、自らボタンを押していただくことで無事を確認します。それが難しい場合には、振動センサーが冷蔵庫などの開け閉めを感知して通知を行います。また、一定時間感知がない場合も通知します。離れて暮らす家族への通知にはLINEを利用しています。VALUECAREは、LINEグループを用いた情報共有と見守りをお勧めしているところです。

 2018年8月に大阪府住宅供給公社と見守り協定を締結して、堺市にある集合住宅で実証実験を行ってきました。冷蔵庫の扉などに振動を感知するマグネット式のセンサーを取り付け、扉を開け閉めするたびに、離れて暮らす家族の携帯電話にメッセージが届く仕組みです。24時間、開閉がない場合もメッセージが発信され、ひとり暮らしの高齢者の安否確認ができます。大阪府住宅供給公社が管理する集合住宅では、65歳以上のひとり暮らしの高齢者が14.7%にまで増えています。実証実験の結果をもとに、「ひとり暮らしの高齢者の見守りのために、このシステムを広げていけないか」と検討しています。

 私どもは最終的に「高齢者の方たちに見守りシステムを無料で使っていただきたい」と考えています。そこで、無料化を可能にする新たなビジネスモデルの模索を始めています。例えば、このシステムを活用する企業にスポンサーになっていただく方法があります。企業は、通知ソフトのアイコンの部分をスポンサー企業のキャラクターなどに変えて、広告配信と社会貢献を一緒に実現することになります。一方で、受益者である高齢者やその家族の方々は、無料でサービスが受けられるわけです。

 VALUECAREは、ネット回線どころか電源もない空き家管理にも活用できます。孤独死問題以外にも活用の幅は広く、使い方は無限大です。

──孤独死は日本が抱える最大の社会課題の一つだと思います。一人暮らしの高齢者の住宅は、ネット環境はおろか電話もなく、電話はあっても止められていることも多いでしょう。そういった環境でも御社のセンサーは機能するのでしょうか。

井出:VALUECAREは、既存のインターネット環境もBluetoothも不要です。設置していただければ、それで見守りできます。高齢者のお宅でも空き家でも大丈夫です。

──もう一つ。広告モデルによって、受益者無料の見守りサービスを実現しようと考えておられるのですね。もう少し詳しくお話いただけますか。

井出:LINEで通知するアイコンの部分、今はそこに弊社のキャラクターが表示されています。ここをスポンサー企業のキャラクターに代えて、「そのキャラが見守りをする」といったイメージを提供できるのではないかと考えています。さらに、スポンサー企業の広告配信なども、システムに組み込む事が可能です。こうした試みから、将来的には見守りサービスを無料で実現したいと考えています。

最新技術7
住宅関連事業「TOBIRA」/ ビットキー
https://bitkey.co.jp/

福澤匡規氏
ビットキー 共同創業者 代表取締役COO

福澤:ビットキーは創業から1年半。これまでに50億円を調達しており、現在、社員数は125人になります。「デジタルキープラットフォーム」の開発と運用を手掛けています。具体的には、バーチャル上での本人認証、および本人に紐づく権利を簡単に移転できるプラットフォームを作っています。

 プラットフォームは、かなり汎用性が高く、金融機関の本人確認をはじめ、メディカル(薬)やウェルネス(健康)分野でも利用されています。昨今は、スマートIDやスマートシティのプラットフォーム、またコンサートのエントランスで使いたい、といった引き合いもかなりあります。

 このような我々の事業の中から、今回は「TOBIRA(トビラ事業)」と呼ぶ、住宅関連事業について説明いたします。

 この事業では二つのスマートロックが主力製品となっています。一つは後付け型の「bitlock LITE」。二つ目は集合玄関のエントランスにも使える「bitlock GATE」です。これらの製品は、2019年末時点で12万台が販売され、リリースからわずか9カ月で、スマートロック業界でシェアNo.1となりました。

 ただ、我々が目指しているのは、スマートロックを売って利益を得ることではありません。様々なサービスや業界の異なる多くの方々と連携し、新しいビジネスモデルを模索していくことを目指しています。

 いま、様々なサービスが登場してきています。しかしユーザーと提供者が対面することでしか利用できないサービスも数多く、これが障害となっている事例もあります。我々は、世の中の様々なサービスの普及を加速させるために、デジタルキープラットフォームの技術を生かして、非対面でのサービス提供を可能にしていきたいと思っています。

 昨年末時点でのビットキーの提携実績は16社となっています。具体的な例をご説明します。例えばウェブサイトでの賃貸住宅の仲介事業の場合です。最近は内見予約ができるサイトなどを見かけると思います。ビットキーが提携しているケースでは、提携先の賃貸サイト運営企業のIDで予約した情報と、我々のプラットフォームが連携し、鍵が自動的に発行されるような仕組みで運用しています。

 また、ECサイトで商品を購入した場合に「置き配」を希望すると、配達を担当する物流事業者に、マンション玄関の鍵が送られる仕組みなども実証実験として進めています。このほか、「居住者が家にいなくても玄関の中まで食材を配達する」「玄関の内側に靴を置いておくと、勝手に磨いてくれる」といったサービスでも、ビットキーの利用が始まっています。家事代行業の「CaSy」や「ベアーズ」といった企業との協業のケースで、彼らのシステムの予約情報と連携して、我々のプラットフォームが鍵を発行する仕組みになっています。

 我々の本業は「ID」に関する技術です。IDを利用して、安全、便利かつ気持ちよく、様々なサービスを繋げていきたいと考えています。今回はTOBIRA(トビラ事業)を基本とした話をさせていただきましたが、リテール(小売り)やモビリティ(移動中のサービス)などの分野にも展開していきます。実際に近々、モビリティ向けのスマートロックを提供していく予定です。

──IDを本業とするビットキーさんには、そのアプリケーションの一つとしてのスマートロックキーについてお話いただきました。さて、認証技術をベースにすると、アプリケーションは想像もつかないくらい膨らむように思えます。本日は、建築関係を中心にいろんな分野・業種の方々が来られております。今後どのような企業とパートナーを組んで、どんなビジネスを展開していきたいとお考えですか。

福澤:特定の業界や事業者さんに絞るつもりはなく、すべての事業者との連携に可能性があると思っています。例えば、現在進行中のケースには、映画館やアミューズメントパークとの連携があります。入場以降の管理を、すべて顔認証で行いたいというという考えのようです。可能性としては、見守りのサービス事業者と連携しても面白いと思いますし、電力やインフラ系、こういったサービス事業者とも連携していきたいと思っています。

最新技術8
コミュニケーションロボット「BOCCO」/ ユカイ工学
https://www.bocco.me/

鈴木裕一郎氏
ユカイ工学 取締役 COO

鈴木:ユカイ工学は、かわいいロボットを作っている会社です。スマートフォンを持っていない子供や、高齢者を中心に利用されています。本日は、このロボットが災害に対してどのような可能性を含んでいるか、ということをお話しいたします。

 昨年は非常に災害が多い1年で、日本国内の土砂災害の件数が過去最高となりました。このように災害が増えているなか、「どれぐらい防災対策が進んでいるか」について調べたデータがあります。ここでは約70%の人が「防災対策は不十分」と答えています。

 いろんな災害が各地で起こったり、身内の方が非常に大変な思いをされたりしたとしても、自分だけは大丈夫だろうと考えてしまう。その結果、いざという時の備えが不足していることになっているのではないか。「もしもの時のために備える」ことは、意識の面でもコストの面でも負担になります。では、どうすればいいのか。

 我々は、「フェーズフリー」を提唱しています。「いつも役に立っているものが、いざという時にも役に立つ」という考え方です。

 我々のコミュニケーションロボット「BOCCO」は、平時は留守番中の子供や離れて暮らす家族とのコミュニケーションに利用できます。人感センサーと連携し、住宅内の様々なデータを取得して、それを基にしたコミュニケーションも生まれます。

 では、災害が起こった時のことを考えてみましょう。スマートフォンを日常的に使っている方なら、すぐに災害情報の確認ができます。しかし、子供や高齢者の場合はなかなか難しいでしょう。このロボットは災害が発生した際に、「地震が起こった」とか「これから大雨が降る」といった災害情報を教えてくれます。

 BOCCOはSIMやバッテリーを搭載しているので、電話や電力が途絶えてしまっても一定期間、離れている家族と通話が可能です。通常の電話は、災害時にアクセスが集中してしまい通話が不能になりがちです。BOCCOは、それらの通信手段と比べても、災害時に強いインタフェースだと言えます。

 ぜひ皆様と取り組みたいと考えていることがあります。それは「災害時のために何かを準備するのではなく、いつも役に立っていることが、いざというときにも役に立つ」というテーマに基づいたサービスを、我々のインタフェースを使って一緒に構築することです。家族が安心して暮らせる災害に強い街、マンション、地域づくりに、ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。

 我々は「可愛い」とか「エモい」であるとか、感情に訴えるデザインを重視しています。この特徴を皆さんのサービスと掛けあわせて、世の中の役に立つようなサービスに発展させたいと思っています。

──おっしゃる通り、日本はここ数年、大変多くの自然災害に見舞われました。そういった際には、被災された方々はメンタル面でも非常につらい状況におかれます。その時、可愛い「BOCCO」が果たす役割はどういったものになりますか。

鈴木:スマートフォンやスマートスピーカーと比較されることが多いのですが、スマートフォンの場合はテキストでのコミュニケーションが主流です。BOCCOの場合、そこに「声」が乗ってきます。子供や両親の声、そういった感情が乗ったコミュニケーションができることが特徴です。この点こそ、災害時や独居の寂しさを解消するうえで、非常に効果的ではないかと思っています。

最新技術9
スマートロック「NinjaLock M」/ ライナフ
https://linough.com/

滝沢潔氏
ライナフ 代表取締役

滝沢:本日はみなさんに、最新型のスマートロック「NinjaLock M」を紹介したいと思います。使い方はとても簡単。暗証番号や、お手持ちのPASMOなどで施錠・解錠が可能です。もちろんスマートフォンのアプリで開けることもできます。

 弊社はスマートロックを作っているのですが、実際のところ、スマートロックについては私が詳しく説明しなくとも、ご存じのことと思います。そこで本日は、私が今まで事業を進めてきた中で、大変だったことをお話ししたいと思っています。

 私は、IT企業の出身ではありません。前職は信託銀行で不動産を扱っており、実はその前も不動産会社で働いていました。私自身も24歳から不動産投資を始め、4棟ほどのビル、マンションを持つ不動産オーナーになりました。では、そんな私がなぜスマートロックを作ろうと思ったのか。自分自身が大家になると、空室がたくさんあることに気付きます。その空室をなんとかしたいと思った時、一番のネックは「鍵」でした。施解錠を自動化できれば、時間貸しで使うことができたり、内見が簡単にできたりするのではないかと思ったのです。

 「よし、スマートロックを作ろう」と思い、2015年に「NinjaLock」の1号機を発売しました。しかし正直うまくいかなった。なぜかというと、スマートフォンが思ったより普及していなかったからです。スマートフォンの普及率60.9%(2017年末時点)の当時は、スマートフォン以外の施解錠の手段も必要だったのです。

 そこで2号機を2017年に作りました。2号機は一緒にキーパットも発売し、スマートフォンだけでなく、暗証番号やカードでも開けられるようにしました。2号機は今も販売しているのですが、スマートロック機器の設置に両面テープを採用していたことで、夏になると落ちる心配がありました。

 「ここで、あきらめてはならない」と踏ん張って作ったのが3号機。これが、先ほど紹介しましたNinjaLock Mという商品になります。この商品は、鍵業界最大手の美和ロックさんと一緒に作ったもので、ドライバーを用いてビスで留め付けるタイプに進化しています。新築向けに作っているので、ダブルロックと呼ばれる上下2カ所に鍵があるケースにも対応できます。

 スマートロックは作るのにも苦労したのですが、そこから先のサービス開発にも相当苦労しました。2015年に1号機を開発し、翌年から「セルフ内覧(現地で人による案内を伴わない内覧)」のサービスを開始しました。2018年にはサービス提携、例えば家事代行や食材配達やクリーニング事業者との連携も始めました。テレビのニュース番組でも取り上げてもらいましたが、実はサービスの方もうまくいきませんでした。ユーザビリティの面で問題があったのです。例えば「家事代行の方々がスマートフォンを使いこなせない」といった理由です。ビジネスモデルの設計も甘かったと反省しています。

 その後、実証実験を2年ぐらいかけて、やっと今、本採用のフェーズに進みました。2019年から大手デベロッパーの清掃付きアパートメントに、NinjaLockが本格採用されました。また今年から、最大手ケーブルテレビ会社のホームIoTサービスにも本格採用していただくことが決まりました。紆余曲折、苦労の末、スマートロック事業は、なんとかここまで進んでいます。

──「スタートアップあるある」を赤裸々にお話しいただき、かなりのノウハウを積んでこられたことがよく分かりました。その上でお聞きしたいのですが、スマートホームや新しい住宅サービスの普及の鍵となるのは、ズバリ、なんだと思いますか。

滝沢:製品価格やサービスの品質よりも、ビジネスモデルだと思います。新しいサービスがどんどん不動産に入っていくためには、デベロッパーのインセンティブ(意欲向上の刺激策)設計が重要です。スマートロックをはじめとしたハードウエアのコストを、「負担しても構わない」と感じさせるビジネスモデルの設計が一番の鍵なのではないでしょうか。近年、このビジネスモデルがかなり洗練されてきたので、スマートホームもそろそろ普及段階に入るのではないかと期待しています。

最新技術10
スマートホーム「eLife」/ リンクジャパン
https://linkjapan.co.jp/

河千泰進一氏
リンクジャパン CEO

河千泰:皆様、スマートホームは普及していると思いますか。イエスという人はほとんどいないと思います。なぜかというと、課題だらけだからです。「製品仕様やアプリが複雑」「設定が難しい」「対応機器の選定や比較が大変」「アフターサービスが手間」「導入メリットが不明」「価格が高い」といった課題が挙げられます。でも、我々のスマートホーム「eLife」なら、これをクリアできるかもしれません。

 リンクジャパンはスマートホーム一筋で、6年間やってきました。製品もこれまで20万台を出荷しています。スマートホームには様々な機器とシステムがあるため、選定も比較も導入も工事も、すべて難しい。でも当社なら、自社製品から国内大手の建材メーカーの製品まで、ワンストップで比較、選定、調達、工事、設定が可能です。

 また、製品ごとに別々の管理アプリがあると使いにくいので、ひとつのアプリに統合しました。eLifeでは「Home Link」という統合アプリによって、あらゆるIoT機器を管理できます。

 機器の設定に関しても、弊社は「QR- Link」というサービスで、これを容易にしました。QR- Link を使えば、QRコードをスキャンするだけで、各種機器がすぐに使えるようになります。アフターサービスについても、QR-Linkであればメンテナンスが不要です。例えば賃貸住宅の場合、前の入居者が退去して次の入居者が入ってきたら、もう1度QRコードをスキャンするだけで情報が更新されます。このように管理が非常に簡単です。

 ただ、いくら製品やサービスが良くても、高価であればだれも使いません。スマート化にはマンション1棟で1000万円程度かかると言われていました。しかし、eLifeであれば1室5万円から導入できます。新規だけでなく、既存物件にも対応できます。分譲マンションや賃貸マンション、注文住宅にもすでに導入されています。

 我々がスマートホーム化を手掛けたマンションのうち、入居率が60%から95%まで上がったケースがあります。オーナーからは、感謝の手紙までいただきました。スマートホームは、可能性に満ちているのです。

──いわゆる「スマート」と言われる住宅のレベルがどんどん上がってきたことが今の説明でよく分かりました。ただ、「スマート化」は往々にして、そういう機能が「あったらいいね」で終わりがちで、なかなかビジネスには結びつかない傾向があると思います。さきほど入居率向上の話をされましたが、では、御社と組むと「成功」するのでしょうか。

河千泰:もちろんです。これまでは、おっしゃる通り、スマートホームについては「あったらいいね」で終わっていたと思います。ただし、これからの「スマートホーム2.0」によって、時代が変わると考えています。それから、我々はヘルスケア事業や在宅介護、見守り事業もやっているので、パートナーに合ったソリューション(問題解決)をワンストップ、一括で提供できます。

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 各社による「最新技術紹介」の終了後には、登壇したIoTサービス事業者と、住宅事業者を中心とするシンポジウム参加者との間で「個別相談会」の場が設けられ、約1時間にわたって活発な情報交換が進んだ。IoTサービス事業者からは「各社がいろいろと手探りの状況にあることがうかがえた。当社への興味や今後の協業の可能性など様々な声をもらって、IoT界隈のこれからの盛り上がりについて期待を感じた」といった声が寄せられた。

(前編の記事はこちら)