日経BP総研が運営するウェブサイト「新・公民連携最前線」が、全国の市町区村を対象に実施した「健康づくりと介護予防や病気予防に関する取り組み度調査」。このうち、今回は、住民の健康を支え、守るための社会環境の整備についての<カテゴリー2>(地域インフラ〔ソフト・ハード〕)の設問(全13項目)について、各設問ごとの集計・分析結果(全体とエリア別、人口規模別)を公表する。このカテゴリーでは、「歩きやすい街」や「健康な住宅」の整備や整備促進についての項目、地域コミュニティの醸成・醸成支援などに関する項目について聞いた。

地域や近隣での助け合い:「計画を持っている」を含めると8割が取り組み

(2-1)介護予防に関するボランティアなどの地域人材を育成するための研修を行っていますか(回答数389)。

出所:日経BP総研

 「行っている/平成30年度に予定している」は78.4%で、「実施を前提とした計画を持っている」の3.3%を加えると8割を超える。「具体的な予定はない」は18.3%だった。

 「行っている/平成30年度に予定している」という回答のエリア別は、最も高い関東が88.1%で、最も低い67.6%の北海道・東北とは20ポイント以上の差がある。同様に人口規模別では、50万人以上が88.9%と最も高く、5万人~20万人未満が83.3%で続いた。

出所:日経BP総研

 前橋市は平成17年度から「介護予防サポーター育成事業」で、地域で介護予防の推進を担うボランティアとして介護予防サポーターを養成している。平成29年度末までに介護予防サポーター登録者は1085人となり、平成30年度の活動者は737人である。

 介護予防サポーターの活動は、活動を義務化せず、任意の地域介護予防活動を行うことが特徴である。活動内容は同市が作成した介護予防体操「ピンシャン!元気体操」の普及や、介護予防事業の協力などであり、同市はサポーター数の増加や活動の拡大・多様化に伴い、組織づくりや介護予防活動ポイント制度の導入、体操クラブの立ち上げ支援など活動を図っている。

(2-2)「認知症カフェ」の運営、または運営支援などを行っていますか(回答数396)。

出所:日経BP総研

 「行っている/平成30年度に予定している」は83.3%で、「実施を前提とした計画を持っている」が5.3%、「具体的な予定はない」は11.4%だった。

 「行っている/平成30年度に予定している」という回答のエリア別は、近畿が89.4%で最も高く、中国・四国が75%で最も低かった。人口規模別では、50万人以上が94.4%と最も高く、5万人~20万人未満が89.8%で続いた。

出所:日経BP総研

認知症サポートのボランティアの育成:9割が「行っている・予定あり」

(2-3)認知症サポートおよび予防に関するボランティアなどの地域人材を育成するための研修を行っていますか(回答数397)。

出所:日経BP総研

 「行っている/平成30年度に予定している」は90.6%で、「実施を前提とした計画を持っている」が1.8%、「具体的な予定はない」は7.6%だった。

 「行っている/平成30年度に予定している」という回答のエリア別は、中部が95%で最も高く、九州・沖縄の90.9%、関東の90.5%が続いた。人口規模別では、5万人~20万人未満が93.2%と最も高く、5万人未満が90.8%で続いた。

出所:日経BP総研

都市内分権を担う自治組織の有無:半数超に地域課題のための組織がある

(2-4)都市内分権を担う協議会型住民自治組織*がありますか(回答数388)。

*自治体内のある一定区域(例えば行政センター区域あるいは小学校区など)における、自治会・町内会、ボランティア団体、学校などの多様な主体による地域課題を解決するための組織
出所:日経BP総研

 「ある」は54.4%で、「ない」が45.6%だった。

 エリア別では「ある」が中国・四国(63.2%)、中部(61.3%)、近畿(59.6%)、九州・沖縄(58%)、関東(51.9%)は半数を上回ったが、北海道・東北(39.1%)だけが下回った。エリア別では「ある」が最も高いのが20万人~50万人未満の76.6で、5万人未満が43.6%で最も低かった。

出所:日経BP総研

 栃木県小山市の「いきいきふれあい事業」は、概ね65歳以上の高齢者を対象に、定期的に各地域で運営している介護予防を目的とした集まりの場である。運営は各地域で自治会、民生委員、健康推進員、老人クラブ、ボランティアなどからなる運営委員会を組織し、市からの委託を受けて実施している(現在31カ所)。体操、物づくり、遊びリテーション、輪投げなどをボランティアが中心となって行っている。平成29年度は延べ1509回開催し、延べ参加者数3万4064人。

公共交通の中長期的計画:「策定済み・予定がある」は5割超、関東は低い

(2-5)公共交通ネットワークに関する中長期的な計画を策定していますか(回答数384)。

出所:日経BP総研

 「策定している/平成30年度内に策定予定である」は55.2%で、「策定を前提とした計画を持っている」が8.9%、「具体的な予定はない」は35.9%だった。

 「行っている/平成30年度に予定している」という回答のエリア別では九州・沖縄が65.3%と最も高く、中国・四国が64.9%で続いた。関東が48.5%と最も低く、「具体的な予定はない」が45.6%だった。「行っている/平成30年度に予定している」という回答の人口規模別では、50万人以上が83.3%と最も高かった。

出所:日経BP総研

(2-6)歩道、歩行者専用道など歩行者にやさしい道路の整備についての中長期的な計画を策定していますか(回答数382)。

出所:日経BP総研

 「策定している/平成30年度内に策定予定である」は18.1%と低く、「具体的な予定はない」が75.5%に達した。

 「策定している/平成30年度内に策定予定である」という回答のエリア別では、近畿が25.5%で最も高く、関東が24.3%で続いた。エリア別では、50万人以上が50%で、20万人~50万人未満が42.6%だった。

出所:日経BP総研

(2-7)自転車利用促進についての中長期的な計画(自転車専用道や専用レーンの延伸など関連インフラ整備計画も含む)を策定していますか(回答数381)。

出所:日経BP総研

 「策定している/平成30年度内に策定予定である」は18.4%にとどまり、「具体的な予定はない」が76.1%だった。

 「策定している/平成30年度内に策定予定である」という回答のエリア別では、中国・四国の27.8%が最も高く、近畿の27.7%が続いた。北海道・東北は2.9%にとどまった。人口規模別では、50万人以上が88.9%に達する一方で、5万人未満は4.1%だった。

出所:日経BP総研

 神奈川県大和市は平坦な道路特性に着目し、気軽に利用できることができ、健康づくりに寄与する自転車の可能性を最大限に引き出すまちづくりを進めている。青色で塗装した走行レーンとナビマークによる自転車通行帯の整備や、市内100公園への健康器具の設置など様々な施策の展開を図っている。

公共交通の利用者数向上の取り組み:半数が「行っている・予定あり」

(2-8)公共交通機関の利用について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、利用者数を向上させるための取り組みを行っていますか(回答数380)。

出所:日経BP総研

 「行っている/平成30年度に予定している」は48.7%で、「具体的な予定はない」も42.4%だった。

 「行っている/平成30年度に予定している」という回答のエリア別では、中部が59%で最も高く、関東は41%で最も低かった。人口規模別では、50万人以上が77.8%で最も高く、規模が小さくなるのと比例して低くなった。

出所:日経BP総研

(2-9)推奨するウォーキングコースを設定あるいは認定して、住民への周知を行っていますか(回答数388)。

出所:日経BP総研

「行っている/平成30年度に予定している」は69.6%で、「具体的な予定はない」は27.6%だった。

 「行っている/平成30年度に予定している」という回答のエリア別は、関東が79.6%で最も高く、中部が77.5%、中国・四国が71.1%で続いた。人口規模別では、50万人以上が88.9%で最も高く、規模が小さくなるのと比例して低くなった。

出所:日経BP総研

 茨城県坂東市は平成7年から、市民を対象に9kmのウォーキングコースを設定し、家族・友人などで楽しくウォーキングに親しみ、日常の運動に取り入れてもらう。参加者は幼児から高齢者までで、年200~300人が参加する。

住宅のバリアフリー化支援の助成制度:九州・沖縄エリアは6割で高回答

(2-10)住宅の新築またはリフォームにおけるバリアフリー化支援について、貴自治体独自の助成制度(補助金、銀行と連携しての利子優遇など、直接金銭面の優遇を行うもの)はありますか(回答数386)。(平成30年度実施の有無・年度中の予定も含む)

出所:日経BP総研

 「ある」は48.7%で、「ない」は51.3%だった。

 「ある」の回答のエリア別は、九州・沖縄が60%で最も高く、関東が54.9%、北海道・東北が50.7%で続いた。近畿は27.7%にとどまった。人口規模別では、50万人以上が77.8%で最も高く、規模が小さくなるのと比例して低くなった。

出所:日経BP総研

(2-11)住宅の新築またはリフォームにおける高気密・高断熱支援について、貴自治体独自の助成制度(補助金、銀行と連携しての利子優遇など、直接金銭面の優遇を行うもの)はありますか(回答数385)。(平成30年度実施の有無・年度中の予定も含む)

出所:日経BP総研

 「ある」は23.9%で、「ない」は76.1%だった。

「ある」の回答のエリア別は、九州・沖縄が34%で最も高く、関東が29.7%、北海道・東北が21.7%で続いた。人口規模別では、50万人以上が66.7%で最も高く、規模が小さくなるのと比例して低くなった。

出所:日経BP総研

(2-12)住宅の新築またはリフォームにおける多世帯同居・近居支援について、貴自治体独自の助成制度(補助金、銀行と連携しての利子優遇など、直接金銭面の優遇を行うもの)はありますか(回答数386)。(平成30年度実施の有無・年度中の予定も含む)

出所:日経BP総研

 「ある」は31.1%で、「ない」は68.9%だった。

 「ある」の回答のエリア別は、九州・沖縄が40%で最も高く、中部が37.5%、関東が34.3%で続いた。人口規模別では、20万人~50万人未満が36.2%で最も高く、50万人以上は27.8%で最も低かった。

出所:日経BP総研

高齢者の孤食防止の取り組み:中部では3割超が「行っている・予定あり」

(2-13)高齢者の「孤食」を減少させるための取り組みを行っていますか(回答数391)。

出所:日経BP総研

 「行っている/平成30年度に予定している」は26.6%にとどまり、「具体的な予定はない」は69.1%だった。

 「行っている/平成30年度に予定している」という回答のエリア別は、中部が32.9%で最も高く、近畿が31.9%、関東が28.2%で続いた。人口規模別では、50万人以上が61.1%で最も高く、規模が小さくなるのと比例して低くなった。

出所:日経BP総研

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