日経BP総研が運営するウェブサイト「新・公民連携最前線」が、全国の市町区村を対象に実施した「健康づくりと介護予防や病気予防に関する取り組み度調査」。このうち、<カテゴリー3>(新しい取り組み)の設問(全19項目)について、各設問ごとの集計・分析結果(全体・エリア別・人口規模別 )を公表する。このカテゴリーでは、デジタル化(データヘルス計画の取り組み)、部署間連携、病院などとの連携、住民のインセンティブ向上、フレイル予防、小児生活習慣病の予防健診など、これから推進していくべきと思われる施策の取り組み状況について聞いた。

第2期データヘルス計画の取り組み:策定は昨年度8割超、今年度に約15%

(3-1)平成30年度に第2期データヘルス計画*を策定・スタートしていますか/させる予定ですか(回答数398)。

(出所:日経BP総研)

 全体で見ると、「平成29年度内に策定した」が80.4%となり、8割超が昨年度に策定済み。「平成30年度に策定した/平成30年度中に策定予定である」との回答は14.8%となり、約15%が今年度中の策定となった。「平成31年度中に策定予定である」は2.0%、「具体的な策定の予定はない」は2.8%である。その結果、今年度中に95%以上、31年度中には97%以上が策定を完了する見通しだ。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に取り組み状況を見ると、九州・沖縄と中国・四国の取り組みが先行している。九州・沖縄は平成29年度の策定が85.5%、平成30年度が14.5%であり、今年度中に100%達成となる。同様に中国・四国も、平成29年度85%、平成30年度15%であり、今年度100%達成という結果となった。人口規模別に見ると、平成29年度中の策定率では人口20万人~50万人未満の自治体が最も高く(91.5%)、平成29年度と30年度中の実施を合計すると5万人~20万人未満の自治体が最も高かった(98.0%)。

 栃木県日光市は、「第1期および第2期データヘルス計画において、日光市民の多発疾病は『高血圧性疾患』によるものが一番多く、介護予防や医療費削減の観点からも日光市の優先課題となっている」という。そこで同市は「尿中塩分測定事業」に力を入れる。高血圧性疾患の発病予防のためには、自身の健康状態を正しく把握し、状況に応じて生活習慣の見直し、改善することが必要となる。そこで特に重要となる食事内容の振り返りをするために、特定保健指導時に尿中塩分量測定を実施し、自身の1日の塩分摂取量を知ることで減塩の動機付けの機会をつくる。

*データヘルス計画は、健康・医療情報を活用してPDCAサイクルに沿った効果的かつ効率的な保健事業の実施を目的に策定する計画で、厚生労働省が推進している。平成29年度からは、第2期(平成30~35年度)を計画期間とするデータヘルス計画の策定が始まっている。

(3-2)データヘルス計画で集まったデータを分析・活用して住民を支援できるようにするための人材育成の取り組みを行っていますか(回答数397)。

(出所:日経BP総研)

 データヘルス計画策定の一方で、データを効果的に活用できるようにするためには、人材育成も必要になる。こうした人材育成については、全体では「行っている/平成30年度内に予定している」が28.7%、「実施を前提とした計画を持っている」が3.8%となり、実施もしくは計画中が合わせて3割強を占めた。「具体的な予定はない」は67.5%で、7割弱だった。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見ると、近畿と関東の取り組み率が低い。「行っている/平成30年度内に予定している」は近畿で14.6%、関東で21.0%にとどまった。「実施を前提とした計画を持っている」では近畿が4.2%と盛り返すものの、関東は2.9%。人口規模別に見ると、50万人以上と5万人未満の自治体が比較的高く、5万人以上20万人未満、20万人以上50万人未満の自治体が比較的低い“中くぼみ”の傾向が見て取れる。

第2期データヘルス計画策定自治体の取り組み:定量的評価は9割以上が実施

(3-3)第2期計画の策定に当たって、現在のデータヘルス計画に係る定量的評価を行うこととしていますか(回答数375)。

注:(3-3)~(3-7)は、平成29年度内に第2期データヘルス計画を策定済、または平成30年度に策定した/平成30年度中に策定予定であると回答した団体からの回答。
(出所:日経BP総研)

 平成29年~30年度に第2期データヘルス計画を策定・策定予定の自治体の傾向を具体的に見ていくと、まず、現在のデータヘルス計画への定量的評価については、全体の93.3%が実施していると回答した。

 エリア別で見ると、今回の調査では九州・沖縄が100%となり、先行している。そのほかのエリアは90.4~93.8%の実施率であり、似たような状況になっている。

(3-4)第2期計画の策定に当たって、地域包括ケアの視点を盛り込んでいますか(回答数375)。

注:(3-3)~(3-7)は、2017年度内に第2期データヘルス計画を策定済、または2018年度に策定した/2018年度中に策定予定であると回答した団体からの回答。
(出所:日経BP総研)

 平成29年~30年度の第2期データヘルス計画策定自治体のうち、地域包括ケアの視点を盛り込んでいるとの回答は、全体で77.6%だった。

(出所:日経BP総研)

 エリア別で見ると、今回の調査では九州・沖縄が96.4%となり、先行している。続いて、中国・四国が82.5%、中部が78.9%となった。人口規模別では、50万人以上の自治体が100%で、以下20万人~50万人未満が86.7%、5万人未満が76.2%、5万人~20万人未満が73.8%と続いた。

 神奈川県横須賀市は、「国保部門では、地域包括ケアの推進に向けた関係機関との連携強化が求められている。レセプトデータや保健事業の結果を分析して把握された健康課題についての他部門への情報提供は割合容易にできても、国保部門として、その後の事業展開にどのように結びつけていくかが課題である」と分析している。

第2期データヘルス計画の連携体制構築:九州・沖縄、大規模自治体が先行

(3-5)第2期計画の策定に当たって、国保部門と健康づくり部門など、関係部署による連携体制を構築していますか(回答数373)。

注:(3-3)~(3-7)は、2017年度内に第2期データヘルス計画を策定済、または2018年度に策定した/2018年度中に策定予定であると回答した団体からの回答。
(出所:日経BP総研)

 平成29年~30年度第2期計画策定自治体のうち、国保部門と健康づくり部門など、関係部署による連携体制を構築しているとの回答は、全体で98.1%と大勢を占めた。

(出所:日経BP総研)

 エリア別では中国・四国と九州・沖縄が100%という結果。人口規模別で見ると、50万人以上と20万人以上50万人未満の自治体が100%となった。5万人以上20万人未満のい自治体は97.2%、5万人未満の自治体は98.2%だった。

(3-6)第2期計画の策定に当たって、都道府県との連携体制を構築していますか(回答数373)。

注:(3-3)~(3-7)は、2017年度内に第2期データヘルス計画を策定済、または2018年度に策定した/2018年度中に策定予定であると回答した団体からの回答。
(出所:日経BP総研)

 平成29年~30年度の第2期計画策定自治体のうち、都道府県との連携体制を構築しているとの回答は全体で81.0%で、8割強が都道府県と連携体制を整えているという結果になった。

(出所:日経BP総研)

 エリア別では、北海道・東北が低い傾向にあり、連携体制構築は70.3%にとどまった。一方で、九州・沖縄では94.5%と高い。人口規模別で見ると、人口5万人未満の自治体が77.2%にとどまる一方で、50万人以上では100%となるなど、大規模自治体優位の傾向になっている。

(3-7)第2期計画の策定に当たって、医師会等の医療関係者との連携体制を構築していますか(回答数374)。

注:(3-3)~(3-7)は、2017年度内に第2期データヘルス計画を策定済、または2018年度に策定した/2018年度中に策定予定であると回答した団体からの回答。
(出所:日経BP総研)

 平成29年~30年度第2期計画策定自治体のうち、医療関係者との連携体制を構築している自治体は、全体で82.1%となった。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見るとかなり違いがあり、九州・沖縄が96.4%と高スコアを示した一方、近畿が71.7%にとどまるなど差が付いた。人口規模別では、5万人未満では75.4%だが、50万人以上では100%となるなど、これも大規模自治体優位の傾向を示した。

外部連携の取り組み:連携協定締結は43.9%、中国・四国や中部が先行

(3-8)企業、NPOなど民間団体、または大学と健康、医療、介護に関する包括連携などの協定を結んでいますか(回答数392)。

(出所:日経BP総研)

 次に、データヘルス計画関連以外の、新たな取り組みについて見ていこう。まず、企業やNPOなど民間団体または大学と、健康・医療・介護に関する包括連携などの協定を結んでいる自治体は、全体の43.9%という結果になった。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見て締結率が高いのは、中国・四国(57.5%)、中部(54.4%)、関東(47.6%)の順。一方で、北海道・東北は21.7%と低かった。人口規模別では、大規模自治体優位の傾向にあることが分かる。

 神奈川県平塚市は、平成29年12月にディーエイチシー(DHC)と「健康づくりに関する連携協定」を締結して、サプリメントや健康食品の適正利用に関する講演会を開催。こうした取り組みについて同市は、「内閣府の調査では消費者の6割が健康食品を利用しているなど、その適正利用への関心が高まっている。また、加齢に関する研究では、長寿に関わる機能性食品成分の働きが注目されている。一方、一般市民は既品の広告などで情報を得るだけで、サプリメントの適正利用に関する具体的な知識に触れる機会はほとんど無い。そのためDHCの協力を得て、要介護になる原因や、その予防につながるサプリメントの選び方などの講演会を、保健センターや各地の公民館などで実施し好評を得ている」という。今後、DHCの強みを生かして、高齢者向けの「化粧講習」など、楽しみながら外出を促進していく仕組みづくりも検討しているという。

(3-9)住民の健康に対する意識の向上のため、連携・協力して取り組んでいる病院・診療所が貴自治体内にありますか(回答数392)。

(出所:日経BP総研)

 住民の健康に対する意識向上に向けて連携・協力している病院・診療所有無については、全体で69.9%があると回答した。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見ると中部(81.3%)、九州・沖縄(77.8%)、中国・四国(77.5%)の順に高い。関東が59.8%と低かった。人口規模別では、これも大規模自治体優位の傾向にあるといえる。

 比率が低かった関東でも、神奈川県藤沢市では、住民の健康に対する意識向上という目的に加え、医師会や私立病院、薬剤師会と連携して、CKD(慢性腎臓病)を予防する事業を手掛けるなどの取り組みを行っている。

健康意識向上の取り組み:計画中含め7割超が数値目標、ポイント制度導入

(3-10)住民の健康に対する意識について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、向上させるための取り組みを行っていますか(回答数392)。

(出所:日経BP総研)

 住民の健康に対する意識について数値目標を設定してPDCAサイクルを回している自治体は、全体で見ると「行っている/平成30年度内に予定している」としたところが59.4%だった。さらに「実施を前提とした計画を持っている」の13.3%を加えると、7割超が数値目標を設定する方向だ。「具体的な予定はない」は27.3%で、3割弱には取り組み予定がない。

(出所:日経BP総研)

 エリア別で見ると、九州・沖縄が「行っている/平成30年度内に予定している」では49.1%と5割を切ったものの、そのほかのエリアではそれほど数値に差は出なかった。人口規模別では、概して大規模自治体優位の傾向にあることが分かる。

(3-11)一般住民のインセンティブを高めるための取り組みとして、住民の健康づくりや介護予防、病気予防の取り組みや成果に対してポイントを付与し、そのポイント数に応じて報奨を設ける事業を行っていますか(回答数396)。

(出所:日経BP総研)

 一般住民のインセンティブを高めるためにポイント制度の導入を「行っている/平成30年度に予定している」自治体は、全体で67.7%となった。「実施を前提とした計画を持っている」自治体は5.1%あり、合わせると実施・実施予定が7割を超えている。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見ると、「行っている/平成30年度に予定している」の回答比率が最も高いのが中部で、80.0%という結果なった。逆に低かったのが近畿で、「行っている/平成30年度に予定している」が54.2%、「実施を前提とした計画を持っている」も2.1%にとどまった。人口規模別で見ると、「行っている/平成30年度に予定している」の比率が最も高いのは20万人以上50万人未満の自治体で71.7%だった。これに「実施を前提とした計画を持っている」の比率を加算すると、50万人以上の自治体が8割を超えて最も高くなる。

 例えば、福島県白河市は18歳以上を対象に、各種健診の受診を必須とし、健康づくり教室などへの参加、毎日の健康行動の実施、健康づくりのグループ活動、町内活動などの社会参加、「へる塩ハッピーメニュー」の減塩食体験などでポイントが得られる「白河いきいき健康マイレージ事業」を行っている。集めたポイントは、図書カードや施設利用券と交換ができ、図書カードに関しては市内保育園・幼稚園・小中学校へ寄付することも可能になっている。このほか市や町、特別区などを問わず、多くの市町村区でポイント制度が導入されている。

健康意識向上の取り組み:ポイント制度以外の制度導入は計画含め半数弱

(3-12)ポイント付与以外で、民間と連携して、住民の健康づくりや介護予防、病気予防のインセンティブを高めるための取り組みを行っていますか(回答数396)。

(出所:日経BP総研)

 ポイント制度以外の、民間と連携してインセンティブを高めるための取り組みについては、全体で「行っている/平成30年度に予定している」とした自治体は42.2%だった。「実施を前提とした計画を持っている」のは5.3%、「具体的な予定はない」のは52.5%。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見ると、これも中部で実施比率が高くなっている。「行っている/平成30年度に予定している」が52.5%、「実施を前提とした計画を持っている」も3.8%あった。人口規模別ではかなり差が付き、大規模自治体がかなり優位になる傾向にある。

 静岡県三島市では、体脂肪の減少などの目標に対して、インパクトのあるインセンティブを与える事業を実施した。3人1組で3カ月間の減らした体脂肪量を競い、優勝チームには減った脂肪と同量の牛肉をプレゼントするという「脂肪燃えるんピック」がそれである。また香川県高松市では、住民組織や企業などの団体や個人を対象として「健康チャレンジ事業」を実施した。これは、それぞれ運動・食事などに関する健康づくりの取り組み目標を設定して、3カ月間の取り組み結果を報告し、達成率の上位団体・上位者を表彰するなどのインセンティブを付与するものである。

(3-13)成果報酬型で民間企業と契約し、住民の健康づくりや介護予防、病気予防のための取り組みを行っていますか(回答数398)。

(出所:日経BP総研)

 住民の健康づくりや介護予防、病気予防のために、民間企業と成果報酬型の取り組みを行っているかについては、全体で見ると「行っている/平成30年度に予定している」とした自治体が5.0%だった。「実施を前提とした計画を持っている」は1.5%であり、合わせて6.5%が、実施もしくは実施予定であるとした。

(出所:日経BP総研)

 エリア別では九州・沖縄、中国・四国が高い傾向にあり、人口規模別では大規模自治体優位の傾向にあることが分かる。「行っている/平成30年度に予定している」とした自治体は九州・沖縄で9.1%、中国・四国で7.5%。「実施を前提とした計画を持っている」では同様に、それぞれ1.8%、2.5%という結果だった。

健康主管部署と他部署との連携:まちづくり担当部署とは約3分の2が連携

(3-14)住民の健康づくりや介護予防、病気予防の事業において、主管部署とまちづくり担当部署とが連携した取り組みを行っていますか(回答数397)。

(出所:日経BP総研)

 「住民の健康づくりや介護予防、病気予防の事業において、主管部署とまちづくり担当部署とが連携した取り組みを行っていますか」との問いに対しては、全体で18.4%が「関連する事業では連携する体制が整っており、主要な関連事業では連携している」と回答した。「個別事業単位で連携することもある」は47.6%であり、合わせると約3分の2が何らかの連携を行っている。残る約3分の1が「部署間での連携はない/ほとんどない」(34.0%)という結果になった。

(出所:日経BP総研)

 エリア別で見ると、「主要な関連事業では連携している」とした回答は中国・四国(30.8%)と中部(28.8%)で多い。「個別事業単位で連携することもある」でもそれぞれ56.4%、46.3%であり、何らかの連携を行っている比率は両エリアともに7割を超えた。人口規模別に見ると、50万人以上の自治体が、「主要な関連事業では連携している」で44.4%、「個別事業単位で連携することもある」も44.4%で先行しているといえる。

 このほか今回の調査では、「健康づくり、介護予防、病気予防の取り組みについては庁内多くの課でまたがっており、どこがリーダーシップを取って連携を進めるか、また共通認識を持ち共有する姿勢を維持するにはどうしたらよいか課題に感じている」といった担当者の意見も寄せられた。

(3-15)住民の健康づくりや介護予防、病気予防の事業において、主管部署とスポーツ担当部署とが連携した取り組みを行っていますか(回答数392)。

(出所:日経BP総研)

 「主管部署とスポーツ担当部署とが連携した取り組みを行っていますか」という問いに対しては、全体では20.9%が「関連する事業では連携する体制が整っており、主要な関連事業では連携している」と回答した。「個別事業単位で連携することもある」は57.7%。「部署間での連携はない/ほとんどない」は21.4%であり、主管部署は、まちづくり担当部署(同34.0%)よりも、スポーツ担当部署との連携がなされる傾向にあるようだ。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見ると、中部や中国・四国で連携比率が比較的高い。「主要な関連事業では連携している」では、それぞれ31.6%、30.0%と3割を超えた。人口規模別で見ると、「主要な関連事業では連携している」では50万人以上の自治体が44.4%と突出している。「個別事業単位で連携することもある」まで含めて見ると、概して大規模自治体優位の傾向といえる。

コスト削減効果測定:医療費関連で25%弱、介護保険給付関連で10%強

(3-16)健康づくりや病気予防に関して、住民の行動変容を促すための事業において、個別の事業単位で医療費抑制など行政コスト削減効果を測定していますか(回答数392)。

(出所:日経BP総研)

 「健康づくりや病気予防に関して、住民の行動変容を促すための事業において、個別の事業単位で医療費抑制など行政コスト削減効果を測定していますか」との問いに対しては、全体の4.8%が「重点的な個別事業ではおおむね行政コスト削減効果を測定している」と回答した。「行政コスト削減効果を測定している事業もある」との回答は19.9%だった。「行政コスト削減効果は測定していない」の回答は75.3%で、全体の4分の3以上がコスト削減効果を測定していないという結果となった。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見ると、測定比率は関東や九州・沖縄、中国・四国で高い。いずれも「重点的な個別事業ではおおむね行政コスト削減効果を測定している」で5%を超えた。人口規模別で見ると、50万人以上の大規模自治体が「重点的な個別事業ではおおむね行政コスト削減効果を測定している」で11.1%、「行政コスト削減効果を測定している事業もある」で33.3%となり、先行している。

(3-17)介護予防に関して、住民の行動変容を促すための事業において、個別の事業単位で介護保険給付抑制など行政コスト削減効果を測定していますか(回答数392)。

(出所:日経BP総研)

 「介護予防に関して、個別の事業単位で介護保険給付抑制など行政コスト削減効果を測定していますか」との問いに対しては、「重点的な個別事業ではおおむね行政コスト削減効果を測定している」が3.3%、「行政コスト削減効果を測定している事業もある」が6.9%となった。「行政コスト削減効果は測定していない」は89.3%だった。介護予防に関しては、先に触れた健康づくりや病気予防に関する住民の行動変容のための事業よりも、行政コスト削減効果の測定が進んでいないことが分かる。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見ると、九州・沖縄、中国・四国の測定率が高い。いずれも「重点的な個別事業ではおおむね行政コスト削減効果を測定している」で5%を超えた。人口規模別では、健康づくりや病気予防の場合と同様に、50万人以上の大規模自治体の先行が目を引く結果となった。

フレイル対策などの取り組み:小児生活習慣病やフレイル対策は2割弱

(3-18)小児生活習慣病の予防健診を行っていますか(回答数395)。

(出所:日経BP総研)

 「小児生活習慣病の予防健診を行っていますか」との問いに関しては、全体の19.7%が「行っている/平成30年度に予定している」とした。「実施を前提とした計画を持っている」のは0%で、残る80.3%は「具体的な予定はない」という結果だった。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見ると、実施・予定している比率は中国・四国、関東、中部の順に高い。それぞれ28.2%、27.9%、22.5%となり、いずれも2割を超えた。人口規模別では、5万人未満が15.2%、5万人~20万人未満が18.4%、20万人~50万人未満が34.8%、50万人以上が38.9%であり、大規模自治体優位だ。

 例えば、長野県中野市は「小児生活習慣病健診」を手掛けている。具体的には、糖尿病対策の1つとして、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー:糖尿病の可能性を判別する数値)を項目として取り入れたという。

(3-19)フレイル(虚弱)について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、抑制・防止するための取り組みを行っていますか(回答数390)。

(出所:日経BP総研)

 「フレイル(虚弱)の抑制・防止のために数値目標を設定し、PDCAサイクルを回していますか」との問いに対しては、全体の9.5%が「行っている/平成30年度に予定している」とした。「実施を前提とした計画を持っている」は9.5%で、合わせると19.0%が実施・実施予定もしくは計画を持っている。「具体的な予定はない」との回答は81.0%。

(出所:日経BP総研)

 エリア別に見ると、中国・四国や近畿が比較的高い。「行っている/平成30年度に予定している」はそれぞれ13.0%と12.8%だった。「実施を前提とした計画を持っている」はそれぞれ10.9%、17.9%。人口規模別では、50万人以上の大規模自治体での先行が目立つ。「行っている/平成30年度に予定している」は22.2%であり、「実施を前提とした計画を持っている」は16.7%だった。

 東京都国立市は、「フレ・フレくにたち!フレイル予防プロジェクト」を実施した。具体的には、東京大学の飯島勝也教授が開発したプログラム「フレイルチェック講座」を開催し、市民サポーターによりフレイル(虚弱)度を半年ごとに測定し、参加者と交流しながら自身の体調や生活を振り返る。そのほか、フレイル予防啓発のためのミニ講座や交流会を定期開催して、予防行動を自主的に継続できるように支援し、健康寿命の延伸を目指すというプロジェクトである。

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