治療アプリ開発だけでなくプラットフォーム提供へ

―― 医療用ソフトの市場規模はどう推移するとみていますか?

佐竹 市場調査では、2025年に世界で7000億円程度とされていますよね。今の日本で医薬品が9兆円、医療機器が3兆円弱の産業ですから、10年後には医療用ソフトも兆の単位のマーケットになるのは間違いないと思います。将来は医療機器や医薬品と肩を並べる産業になると私は思っています。

―― CureAppの収益目標を聞かせてください。

佐竹 具体的な数値は非公表ですが、まずは高血圧のマーケット全体(医療費)が1.9兆円なので、その中でパイを取るという意味で、数百億円規模の売り上げを、近い未来では目指していきたいと考えています。

―― CureAppではいくつものアプリを連続して立ち上げていますが、なぜそのようなことが可能なのでしょうか。

佐竹 要因は2つあります。まず、高い目標を立てること。普通は創業すれば、その最初の事業を伸ばしていくものだと思いますが、私は1つのサービスで終わるのではなくて、複数のパイプライン(品目)をつくることが新しい産業をつくるという観点で大事だと創業当初から思っていました。10年後の未来には、様々な疾患に対する治療用アプリが開発され、処方されているはずだと確信していたので、まだエンジニアも片手で数えられる規模の頃から、疾患のパイプラインを増やす目標を大きく掲げていました。

 次に、その目標を達成するため、チームのみんなが、今のメンバーも過去のメンバーもよく頑張ってくれたということに尽きます。会社のミッションをしっかり理解して、食らいついてくれました。自立したメンバーが集まってくれて、私としても誇りに思っているところです。会社が掲げるミッション、ビジョンに共感して、自分で考え、自分で判断する人たちに恵まれました。

(写真:鈴木愛子)
(写真:鈴木愛子)
[画像のクリックで拡大表示]

―― 「疾患のパイプラインを増やす」という目標の先に、10月に発表したプラットフォーム*3が生まれたわけですね。

佐竹 はい。今まさに当社では、治療用アプリを処方するためのプラットフォームサービスを始めたところです。今後、当社の製品に限らず様々な治療用アプリが出てくると思いますが、医師がサイトにアクセスすると、そうしたアプリがそろっていて処方ができる、といったサービスにしていきます。

 治療用アプリは、安全性が高く、かつ医薬品と比べて遜色のない治療効果が得られ、それでいて研究開発コストは医薬品とはケタ違いに低く抑えられます。安価で費用対効果の高い治療を提供できるので、先ほどお話したような医療財政の観点でみてもサステナブルな医療につながります。


注)
*3 2020年10月23日、同社は治療用アプリの処方プラットフォーム「App Prescription Service」(APS)の医療機関への提供を開始した。
「App Prescription Service」の画面イメージ(資料:CureApp)
「App Prescription Service」の画面イメージ(資料:CureApp)
[画像のクリックで拡大表示]