IOC、FIFA、東京2020組織委員会などがフレームワークに参加

 2017年10月、国連は気候変動問題解決を目指して、新しい取り組みを開始した。2015年にSDGsが発表され、パリ協定も締結されたにも関わらず、一般市民の行動に変化をもたらすことができていない、という危機感の下、「スポーツ」による気候変動への取り組みを進めるための議論が始まったのである。私はこの会議に招聘され、さらに、フレームワーク作成メンバーの1人としてUNFCCC事務局とともに「Sports for Climate Action Framework」の作成に携わった。

東京2020組織委員もSports for Climate Action Frameworkへの参加を表明(東京2020組織委員のウェブサイトより)

 2018年12月11日に発表されたこのフレームワークでは、何が示されているのか。

 具体的には、スポーツ関係者が気候変動問題に関して、取り組みを始めるための理由付け、その行動を規定する考え方や意思表示に対して、国連が承知し伴走することが表明されている。また、IOCが主導して、他のスポーツ連盟・リーグ・クラブチーム・アスリートに取り組みへの賛同を呼び掛け、具体的なアクションを実施していく旨も明記されている。

 なお、発表時、フレームワークにはIOCのほか、パリ2024組織委員会、国際サッカー連盟(FIFA)など国際的なスポーツ団体を中心に17団体が参加を表明している。日本からは、東京2020組織委員会のほか、ヴァンフォーレ甲府、福島ユナイテッドFC、東北フリーブレイズ、鎌倉インターナショナルFC、京都大学アメリカンフットボール部ギャングスターズ、京都大学サッカー部、栃木県立佐野高校ラグビー部の8団体が参加を表明した。

 同日には、COP24のスペシャル閣僚級会議として「Sports for Climate Action」と題したイベントも行われた。UNFCCC事務局が初めてスポーツ界とコラボレーションを行ったイベントで、「Sports for Climate Action Framework」に即した議論が展開された。

左は当日のプログラム(COP24のウェブサイトより)。上はパネルディスカッションの様子。活発に意見が交わされた(写真:一般財団法人グリーンスポーツアライアンス)
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 プログラムは、モナコ大公でIOC委員でもあるアルベール2世の臨席の下で進んでいった。オープニングスピーチでは、UNFCCC事務局長のオヴァイス・サマド氏が、今回国連がスポーツ界と取り組むフレームワーク作成に行きついた背景について説明した。その後、モナコ大公アルベール2世による「社会変革のカタリスト(化学反応を促す触媒)になるこれからのスポーツ」についての基調講演、CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)のカリーナ・ブランク女史による、気候変動問題への挑戦においてアスリートが果たせる役割についての講演が続いた。

 パネルディスカッションでは、モデレーターより各登壇者に対して、「現在スポーツ団体として取り組んでいること」「なぜ今回このフレームワークに手を挙げることを決めたか?」「今後どのように現場で取り組んでいくか?」「直面しているチャレンジは何か?」などの質問が投げかけられた。そして最後には、IOCおよびパリ2024組織委員会より、持続可能な大会を目指して現在取り組んでいることについての紹介が行われた。