米国Green Sports Alliance(GSA)の2015年環境リーダーシップ賞を受賞したニューヨークのヤンキースタジアム。受賞理由は「光」のイノベーションだった。単に電力量の削減だけでない、モチベーションを変えるLEDの光がそれを可能にしたのだ。

ヤンキースタジアム(写真提供:PLANLED)
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MLBがサステナビリティを牽引する時代がやってきた

 MLB(メジャーリーグベースボール)のニューヨーク・ヤンキースは、先日、引退を表明したイチローも活躍したことがある名門チームだ。その本拠地、ヤンキースタジアムは、ヒーローたちが活躍した聖地として、日本でも名高いスタジアムの1つである。そのヤンキースタジアムは、サステナビリティを牽引することで新たなヒーローになろうとしている。

 サステナビリティに配慮した施設として2009年に完成した新スタジアムは、一般客席の広さが約2900m2もあり、野外球場としては世界最大規模だが、巨大な屋根のアーチが呼び込む自然風による冷房効果と換気によって、エアコンを必要としない構造となっている。1ゲーム当たりに節約される電力エネルギーは、暑い夏の日のニューヨーク市内のアパートメントビル125棟分にもなる。

 スタジアムでは、自動化テクノロジーを駆使してエネルギーを無駄なく制御したり、排出を抑えきれない温室効果ガス(GHG)との相殺を行ったりすることで、SDGsに貢献している。もちろん、建設用の構造用鋼にはリサイクル資材を使用し、施工時には、建設用車両と設備には低硫黄燃料を使用することを義務付けていた。

 他にも、公共交通機関へのアクセスを良好にし、事業廃棄物の堆肥化やリサイクル、排食料油の回収、節水にも励んでいる。中でも排食料油の回収は特筆すべき取り組みだ。1シーズンに2万ガロン以上の排食料油から1万8600ガロン以上のバイオディーゼル燃料が生産されている。さらに2015年12月にはLED照明を導入(次ページ以降で別途詳述)、省エネだけでなくスタジアムの光環境の改善にもつながった。

 これら一連の取り組みが評価され、ヤンキースタジアムは、米国Green Sports Alliance(GSA)の2015年環境リーダーシップ賞のほか、2016年には第13回ニューヨーク州環境優秀賞を受賞している。