マイアミ・ヒートのサスティナビリティへの歩み

 マイアミ・ヒートがサスティナビリティに取り組み出したきっかけは、NBA本部からの情報だった。2007年、NBAが 環境NGOのNRDC(自然資源防衛協議会)と「持続可能な競技場とチームの運営」について協定を結んだのである。

 2008年、NBAはNRDCとともにコミッショナーのイニシアチブを確立するために働きかけ、すべてのチームにNRDCのグリーニングアドバイザーを派遣した。「NBAとNRDCが環境に関する推奨事項を発表した時、私たちは非常に高い関心を持ったのです」とベンチュラ氏は振り返る。

 ヒート・グループはこの機会を得て、すぐにLEED認証についての学びを重ね、わずか数カ月後の2008年11月18日にアメリカン・エアラインズ・アリーナ のLEED認証取得に向けた書類提出を果たしている。

 グループ社長であったエリック・ウールワース氏は「2009年4月にはLEED認証取得を発表する」と目標を定め、作業に取りかかる。まずは必要条件を洗い出し、前提を整えることから始めなければならなかった。

 「正直なところ、私たちの目標が数値化されて目の前に現されたとき、すべてのLEED条件について資格を得ることは可能だ、と確信することができました。そして、そのことに驚愕しました」とベンチュラ氏は振り返る。いったい、どういうことだろうか。

大規模施設ならではのコスト節減効果

 LEED認証を得るためには、かなりの先行投資が必要になる。また、関わるスタッフが費やす時間も相当なものとなる。しかし、規模の大きい施設となれば、その経済的な節減効果は、先行投資の費用と時間を上回ることができる。アメリカン・エアラインズ・アリーナの場合、2009年の段階でそのエネルギーコストは同規模の施設の平均的な数値より53%節約できており、年間160万ドル以上の節減効果をもたらした。

 また、アメリカン・エアラインズ・アリーナでは、LEED認証のために大規模な改修工事を施すといった、特別なプロジェクトを結成する必要はなかった。

 ベンチュラ氏はLEED申請などに関わる作業を信頼できる専門家に託し、完璧な記録と責任ある運営を行なっている。「1999年に建築した当初から、電気、ガス、水道などに気を配り、その消費量についてデータを撮り続け、スプレッドシートと電子記録を完備していたのです」(ベンチュラ氏)。

 この蓄積されたデータを見てベンチュラ氏は、アメリカン・エアラインズ・アリーナがそのほとんどのカテゴリーですでにLEED認証に適合していることに気づいたという。

 サプライヤー事業者群と良い関係を保っていることは、設備や備品の改革に非常に役立った。これにより、例えば、グリーンエネルギー購入システムの導入や、100%リサイクルペーパータオルやEPA(米環境保護局)推奨石鹸など新しい環境商品への入れ替えなどが、スムーズに行えたという。

 ゴミを集める取り組みは、初めから企業スポンサーの1社であるWaste Management の推奨するリサイクルプログラムを導入していたので、力強く進めることができた。同社が進めていた電子機器のリサイクルにも相互に協力した。

 また、2012年4月には、マイアミ・デイド郡公立学校で行われた「eリサイクル・ドライブ」というコミュニティ活動に、発起人としてマイアミ・ヒートはその名を連ねている。

企業スポンサーの1社であるWaste Managementとリサイクル・プログラムを進めていった(提供写真:マイアミ・ヒート)
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