地方の実情に即した制度へと変わる「国交省のモデルプロジェクト」

 一方、スマートシティ関連の施策で先行しているのが、国交省の「スマートシティモデルプロジェクト」だ。2019年(令和元年)にスタートし、牽引役となる「先行モデルプロジェクト」として、21年度は全国27事業を支援している。実証事業を通じて、スマートシティの実装に向けたノウハウ・課題の蓄積などを進めてきた。

 2022年度は従来の「国直轄事業」だったものを「補助事業」(スマートシティ実装化支援事業)に切り替える予定だ。これまでは国の依頼を受けて、地方自治体が実証実験を請け負う体裁になっていた。補助事業になると、地方主体の取り組みに国が補助金を支給する形に変わる。国交省によると、補助事業になることで地域の実情に即した実証事業が期待できるという。事業の対象者は民間企業および地方公共団体を構成員に含む協議会(コンソーシアム)だ。2000万円を上限とする定額補助を予定している。2022年度の予算額は昨年度の2.2億円から2.8億円に増額する。

スマートシティモデルプロジェクト(スマートシティ実装化支援事業)の概要(資料:国土交通省)
スマートシティモデルプロジェクト(スマートシティ実装化支援事業)の概要(資料:国土交通省)
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次世代モビリティの整備も進める

 次世代モビリティ関連の予算も目立つ。政府が25年をめどに自動運転の「レベル4」を目指すなか、22年度はいよいよ地域の移動サービスで自動運転車の運行に関する認可制度が始まり、高齢者などの利用が見込まれる地域の特定ルートで実用化する。こうした流れを受けて、国交省や経産省では、AI・IoTを活用したMaaSの推進や無人自動運転サービスに大きく予算を確保している。

 国交省は22年度も日本版MaaS推進・支援事業を継続する。7300万円を予算化した。シェアサイクルや電動キックボード、グリーンスローモビリティをはじめとする新しいモビリティの導入を支援するほか、ICカード、タッチ決済などの「決済手段」、「AIオンデマンド交通」など、広域にわたる先進的なMaaSなどのサービス導入を支援する。経済産業省は、「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業」の予算額58.5億円の内数から「地域新MaaS創出推進事業」を展開する方針だ。地域課題の解決と全国への横展開のモデルとなる先進事例の創出を目的として、高度なMaaS実証を委託事業として進めていく。

地域新MaaS創出推進事業の概要(資料:内閣府)
地域新MaaS創出推進事業の概要(資料:内閣府)
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 総務省も、従来の「データ連携推進型スマートシティ推進事業」を22年度も4.6億円で予算化した。都市OSの整備などのデータ活用によって、防災、セキュリティ・見守り、買い物支援などの地域が抱える課題の解決を目指す地域を補助するもの。事業内容は21年度と大きな変更はないが、名称を「地域課題解決のためのスマートシティ推進事業」に変更して「地域課題解決」という目的をより鮮明にする。