5Gなどのインフラ整備も

 主要施策以外に、スマートシティに関連する施策を各府省の予算案からピックアップすると、新たな傾向も見えてくる(表2)。

 総務省は、まち全体のデジタル化を進める上で欠かせないデータ連携基盤や通信網として、引き続き5G基地局や光ファイバ、ローカル5Gなどの整備に力を入れる。さらに22年度は新規でBeyond5Gの研究開発に100億円を予算化した。Beyond 5Gの実現に必要な要素技術(超高速・大容量、超低遅延、超多数同時接続、超低消費電力等)について、民間企業や大学等への公募型研究開発を実施する。

 都市の様々なサービスでDXが進むと、利用者側のデジタルデバイド(情報格差)と、提供する側のデジタルリテラシーの問題も出てくる。デジタル田園都市構想でもデジタル人材の育成も主要課題として掲げており、各省庁ではデジタル人材育成や、高齢者へのデジタル活用に関する講習などを強化している。総務省は、「高齢者等に向けたデジタル活用支援の一層の推進」に21.1億円を予算化し、21年度の4.7億円から大幅に増やした。経産省は、地域のデジタル人材の育成と確保に13.6億円(21年度補正)を活用する。

 モビリティに関しては、クリーンエネルギーの活用推進も目立つ。経済産業省は「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」(155億円)、「燃料電池自動車の普及促進に向けた水素ステーション整備事業費補助金」(10億円)などを予算化した。2050年カーボンニュートラル実現に向けて、モビリティのデジタル化、自動化とともに、クリーンエネルギーの推進が期待できる。

 経産省の「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト」(29.3億円)は、ドローンや空飛ぶクルマの技術開発、実証、安全性の評価手法の実現に向けて、22年度に新たに予算化。災害時の物資・人員輸送、過疎地の配送・移動手段確保などの取り組みなどが想定されている。

次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクトの概要(資料:経済産業省)
次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクトの概要(資料:経済産業省)
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 そのほか、建設分野での3D都市モデルのオープンデータ化、医療分野のPHR(パーソナルヘルスレコード)と遠隔医療、防災分野の3DハザードマップやLアラートの活用など、様々な分野でデジタル化推進のための予算が設定されている。内閣府のWell-beingに関する意識調査」(0.4億円)も興味深い。スマートシティ、スーパーシティでは、住民の「Well-being」の向上が目的の一つ。分析結果は今後の政策やまちづくりにも参考になりそうだ。