ICTオフィス「AiCT」に大手企業含む約30社が集積

 10年の取り組みを経て、スマートシティは市民の生活に着実に浸透してきた。例えば、2015年12月に開設された行政と市民のコミュニケーションポータルサイト「会津若松+(プラス)」を通して、地域IDを取得した市民がよりパーソナライズされた地域情報・行政情報のほか、実証実験参加者募集といったスマートシティ関連情報などの提供を受けている。IDを取得した市民はすでに1万1000人以上に上り、サイトの年間ユニークユーザー数(延べ人数ではない実際の閲覧者数)は14万人を超えた。会津若松市は人口約12万人。サービスが、市の周辺の生活圏の人々にも広がっていることが分かる。

スマホアプリ「あいづっこ+」の画面
スマホアプリ「あいづっこ+」の画面

 教育分野では、個別の学校の活動情報や家庭への連絡を直接受け取ることができるアプリ 「あいづっこ+(プラス)」が、新型コロナ禍で自宅学習を強いられたこともあって、より広く活用されている。エネルギー分野ではスマートメーター(データ連携を可能にした電力消費測定装置)を介して電力消費量を見える化すること で、登録した家庭の消費電力を27%削減した。観光分野では、外国人向けに観光情報サイト 「Visi+Aizu(ヴィジットアイヅ)」などデジタルを活用したアプローチの推進により、2015年に3400人あまりだった外国人宿泊数が2019年時点では2万5000人へと7.3倍に飛躍的に増えた。

 一方、企業の会津地域への機能移転も進んできた。データの利活用による新たな産業の創出と首都圏からの機能移転を目的に、2019年4月に市内にオープンしたICTオフィス「AiCT(アイクト)」(*1)は、2021年2月時点でアクセンチュアやソフトバンク、セイコーエプソン、三菱商事など29社が入居。全体で約400人が勤務しているという。

*1 敷地面積9496m²、オフィス棟(鉄筋造4階建て)と交流棟、機械室棟、駐車場、駐輪場で構成される公民連携の施設。土地は会津若松市、建物は民間企業のAiYUMU(あゆむ、会津若松市)と市が共同で所有し、管理運営はAiYUMUが担当する。
AiCTの概要(「会津若松市スーパーシティ構想に係る事業案 令和3年2月12日時点」(会津若松市)より
AiCTの概要(「会津若松市スーパーシティ構想に係る事業案 令和3年2月12日時点」(会津若松市)より
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