空飛ぶクルマの実装目指す大阪市

 一方、大阪市のスーパーシティ構想は「移動」「物流」「医療」「まちづくり」「防災」といった分野において、「自動運転バスによる貨客混載運送」や「データとAI分析を活用した健康プログラム」「空飛ぶクルマでの観光周遊」などの新たなサービスの社会実装を進める。梅田駅前に位置する「うめきた2期地区」、2025年開催の大阪・関西万博の会場となる「夢洲地区」というグリーンフィールドを生かしながら、先端的なサービスを展開する予定だ。

「大阪府・大阪市スーパーシティ構想」の概要(資料:大阪府・大阪市)
「大阪府・大阪市スーパーシティ構想」の概要(資料:大阪府・大阪市)
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「空飛ぶクルマ」の実現に向けたロードマップ(資料:大阪府・大阪市)
「空飛ぶクルマ」の実現に向けたロードマップ(資料:大阪府・大阪市)
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 専門調査会に出席した大阪府の吉村洋文知事は、必ず実現したいサービスとして「空飛ぶクルマ」「国際医療」などを掲げた。特に、次世代モビリティとして期待が高まる「空飛ぶクルマ」の社会実装は大阪市のスーパーシティの目玉事業の1つだ。2025年の大阪・関西万博での運航を目指し、3月23日にロードマップを公表した(関連記事)。また、すでに2025年日本国際博覧会協会が事業実施者を募集しており、2023年度末までにすべての運行事業者を決定する見込みとなっている。

 「国際医療」では遠隔での診療・投薬をはじめ、AIやロボットによる診療支援、再生医療など、先端技術による医療サービスが国籍や場所を問わず日常的に享受できる環境を整備する。インバウンド需要として、訪日外国人客の医療サービスの利用も見込む。2026年以降には、データ連携基盤によって健康・医療・介護など複数分野のサービスをつないで高度化を図る「次世代PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)」の展開も見据えている。

 このほか、「AIによる気象予測」「ローカル5Gの広域利用の先行モデル実施」「大阪万博関連の仮設建築物等」でも、各省とおおむね規制緩和についての合意ができている。

 後編では、スーパーシティに並んで、デジタル田園都市国家構想を先導する取り組みとして新設される「デジタル田園健康特区(仮称)」のポイントと、特区に内定している吉備中央町(岡山県)、茅野市(長野県)、加賀市(石川県)の取り組みのポイントについて解説する。