医療データ標準化議論のけん引を期待

 デジタル田園健康特区(仮称)では、自治体間の施策連携・データ連携による相乗効果を狙う。例えば、健康医療データの連携だ。3月に開催された専門調査会では、現在、自治体ごとに地域医療の情報連携ネットワークの構築が見られるが、自治体を超えた「標準化」は進んでいないと指摘された。健康特区での取り組みによって、1990年代から繰り返されてきた「医療データの標準化」の議論を先に進めることを期待する旨の発言もあった。

 健康特区では、医療データの共有基盤である医療データ連携APIを構築する。これにより医療情報ネットワークを相互につなぐ。海外で注目されている「HL7 FHIR」という規格の採用が想定されているようだ。

 特区では、患者のPHR(パーソナル・ヘルス・レコード:個人の健康・医療関連の情報)を第三者組織が預かり、患者、臨床研究、新たなアプリ開発のために利活用する。加賀市が提案している「医療版情報銀行」をはじめ、他の2地域などで運用されている共有データベースとも相互連携を可能にする構想もある。こうした連携によって、今後、健康特区を契機として、医療データの相互運用を全国に拡大していくことも求められる。

健康医療情報の連携イメージ(出所:内閣府)
健康医療情報の連携イメージ(出所:内閣府)
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 健康特区を推進していくうえでは、地方創生担当大臣、自治体の首長、健康医療やデジタルの専門家や事業者などが参画する区域会議を組成し、その下部組織としてタスクフォースを立ち上げることを検討している。自治体の連携の具体的なイメージについても、この区域会議で議論することになる。

デジタル田園健康特別区域の推進体制案(資料:内閣府)
デジタル田園健康特別区域の推進体制案(資料:内閣府)
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