日経BP 総合研究所が運営するウェブサイト「新・公民連携最前線」は、ビジネスパーソン(有職者=働く世代)を対象に調査を実施し、「シティブランド・ランキング―住みよい街2021―」のランキングをまとめた。全国の20代以上のビジネスパーソン2万4553人が、8分野・39項目について実際に自分が住んでいる自治体の「住みよさ」を評価した。
今回TOP10に入った自治体は、どの項目が評価されたのか。8分野39項目のランキングと偏差値を基に分析する。
1位 千代田区(東京都)
千代田区は、「安心・安全」分野と「自治体の運営」分野の偏差値が72.4と71.7とそれぞれが1位になった。「生活インフラ」分野の偏差値も2位である。「安心・安全」分野では、「避難場所が近くにあるなど防災対策が整っている」と「防犯対策(交番/街灯/防犯カメラ/住民による見守りなど)が整っている」がともに1位の評価だ。「自治体の運営」分野では、「行政からの情報発信が充実している」が1位で、「地域で仕事を見つけやすい」が4位になっている。「生活インフラ」分野は、「公共交通機関が充実している」が2位、「生涯学習プログラムが充実している」が3位、「便のよい幹線道路が整備されている」と「図書館や公民館など文化施設が充実している」が4位と、都心の住みやすさが評価されている。
回答者の自由意見からは、行政サービスへの満足度の高さがうかがえた。例えば、「千代田区は人口か少ないということもあり、行政サービスが充実している。最近では区独自の給付金もあった。また、区役所はいつも空いているので、申請なども待ち時間を気にせず仕事を休む必要がないのが魅力」(女性、30代)、「未成年の子どもの医療費が無料、公共施設がきれい、成人向け健康診断も充実している、治安がよい」(女性、30代)、「他の自治体と比較して予算が潤沢であり、住民サービスが行き届いている。都心部の真ん中であり交通の便が極めて良い。緑が比較的多い」(男性、50代)といった声が寄せられている。
![]() 千代田区は東京23区のほぼ中央に位置する。人口は約6万7000人。区の中央に皇居があり、「千代田」という名前は江戸城の別名「千代田城」にちなんだもの。明治維新以降、現在も霞が関の官庁街を抱え続ける、まさに東京の中心地。まちづくりにおいても、大丸有(大手町・丸の内・有楽町)地区のエリアマネジメントが注目を集めている。 |

8つの分野 | 評価項目 | 順位 | スコア |
---|---|---|---|
安心・安全 | 治安がよい | 4 | 61.1 |
自然災害が少ない | 11 | 61.1 | |
避難場所が近くにあるなど防災対策が整っている | 1 | 69.0 | |
歩道など交通安全に配慮した道路が整備されている | 3 | 72.7 | |
防犯対策(交番/街灯/防犯カメラ/住民による見守りなど)が整っている | 1 | 72.5 | |
快適な暮らし | 気候が穏やか | 48 | 57.7 |
自然環境が豊か | 291 | 38.8 | |
公園が多い | 58 | 58.6 | |
街が静か | 201 | 46.8 | |
街の歴史・伝統などに関わる文化資源が豊富 | 13 | 64.5 | |
生活の利便性 | 職住接近が可能である | 3 | 68.2 |
繁華街へのアクセスがよい | 10 | 71.7 | |
家賃/宅地の土地代が安い | 336 | 29.3 | |
日常生活に必要な買い物がしやすい | 295 | 49.4 | |
生活インフラ | 公共交通機関が充実している | 2 | 76.2 |
便のよい幹線道路が整備されている | 4 | 71.7 | |
図書館や公民館など文化施設が充実している | 4 | 67.7 | |
生涯学習プログラムが充実している | 3 | 67.7 | |
住民が利用できる運動・スポーツ施設が充実している | 17 | 61.4 | |
医療・介護 | 病院や診療所が多い | 1 | 67.7 |
小児科/産婦人科が多い | 9 | 63.9 | |
夜間・緊急医療体制が整っている | 4 | 66.4 | |
介護施設が多い/介護サービスを受けやすい | 129 | 53.4 | |
子育て | 保育所、幼稚園、認定こども園などが充実している/入りやすい | 13 | 59.1 |
教育機関が充実している | 2 | 70.3 | |
子ども向けの体育・文化活動が盛ん | 3 | 63.3 | |
自治体による出産・育児・子育て支援が充実している | 2 | 64.3 | |
子どもを遊ばせる場所が多い | 130 | 53.8 | |
自治体の運営 | 公共料金が安い | 18 | 58.0 |
行政からの情報発信が充実している | 1 | 67.7 | |
外部(住民以外)から見た街のイメージがよい | 18 | 69.4 | |
多様な地域参加の機会がある | 4 | 62.1 | |
地域で仕事を見つけやすい | 3 | 72.9 | |
街の活力 | 街に活気がある | 9 | 71.0 |
子供や若者が多い | 97 | 59.2 | |
いろいろな面白い人、魅力的な人が住んでいる | 5 | 70.3 | |
応援できる文化・スポーツ団体がある | 59 | 59.1 | |
地方自治に対する住民の意識が高い | 3 | 66.9 | |
街に愛着がある | 29 | 60.8 |
※8分野および39の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。
■シティブランド・ランキング ―住みよい街2021― ランキングINDEX
|総合TOP200(1-50位)|総合TOP200(51-96位)|総合TOP200(101-150位)|総合TOP200(155-197位)|北海道・東北エリアTOP10|関東エリアTOP20|中部エリアTOP20|近畿エリアTOP20|中国・四国エリアTOP10|九州・沖縄エリアTOP10|調査概要|
■TOP10自治体詳細
|1位:千代田区(東京都)|2位:武蔵野市(東京都)|3位:港区(東京都)|4位:野々市市(石川県)|5位:文京区(東京都)|6位:中央区(東京都)|7位:守谷市(茨城県)|8位:浦安市(千葉県)|8位:西宮市(兵庫県)|10位:藤沢市(神奈川県)| 11位~30位詳細|
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