“営業”に行くのは当たり前

――トライアル・サウンディングをやろうということになって、すぐに公共R不動産に話をしにいくところに、フットワークの軽さを感じます。

寺沢 常総市の場合、こんなふうに外に“営業”に行くということが“文化”として根付いているなと感じています。堀井さんだけではなく、いろんな課の人たちが、あちこちの民間に対して自分たちで売り込みに行ける。まず、市長さんからそうですよね(関連記事)。

――“営業”に行くというのは、例えばどういうことするのでしょうか。

堀井 例えば市有地を売却するのであれば、やっぱりその情報を持っているところにアプローチするのがいいかな、ということで金融機関を回りました。関連するいろいろな団体にアプローチしてウェブサイトなどで情報を広めてもらえれば、といったことも考えます。照明のLED化によるESCO事業のサウンディングをしたときには、照明の団体やLEDの団体を探して情報を提供していきました。市のホームページに情報を出すだけでは、おそらくそれほど参加してくれる民間事業者はいないと思っています。

 あと、私たちは2017年から「公共施設マネジメント協議」*2という組織横断での議論の場を設けているのですが、協議で議題に上がる案件については「(民間の)どういうところにアプローチしたらいいのか」といったことも議論していきます。各課でも、自分たちがサウンディングを行う事業については、関連する企業や団体に電話をしたり、関連するイベントに参加したりしていますね。「関連する民間事業者や団体にアプローチする」というプロセスが浸透してきているなと感じています。

寺沢 こうした蓄積があるからこそ、常総市の職員の方たちは、民間の考え方やスピードを肌感覚で体得しているのだと思います。実際、庁内でトライアル・サウンディングの企画が動き出してから公募まで、2カ月もかかっていません。

堀井 2019年2月に公共R不動産に打診をして了承を得て、庁内の「公共施設マネジメントプロジェクト発表会」*3で発表して正式に進めることになり、実施指針と公募要項をすぐに作成して4月1日からトライアル・サウンディングの公募を開始しました。


*2 公共施設マネジメント協議:公共施設マネジメント案件を担当課だけで検討するのではなく,関係課(最大10課)やマネジメント部門、アドバイザーを含めて議論する場。年に数回開催している。
公共施設マネジメント協議の様子と協議の進行概要(写真・資料:常総市)
公共施設マネジメント協議の様子と協議の進行概要(写真・資料:常総市)

*3 公共施設マネジメントプロジェクト発表会:市長・副市長・幹部職員を前に、ボトムアップで公共施設マネジメント事業を提案するとともに、横展開を図るための場として設置。2018年から年1回実施。
市長(左写真)・副市長、幹部職員を前にFM・PPPの取り組みを発表する公共施設マネジメントプロジェクト発表会の様子(写真:常総市)
市長(左写真)・副市長、幹部職員を前にFM・PPPの取り組みを発表する公共施設マネジメントプロジェクト発表会の様子(写真:常総市)