東京都:23区のほぼ全域が「濃い青」に

 それでは、都県別のデータを少し詳しく見ていこう。

 東京23区では、「コロナ前」の2020年はすべての区が転入超過で、目黒区以外は2000人以上の超過を示す濃い赤色の表示となった。多摩地区もほとんどの自治体が転入超過。ただ、八王子市が2000人以上の転入超過になっているものの、それ以外は23区に比べれば転入超過が緩やかな傾向にある。

東京都・2020年(コロナ前)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
東京都・2020年(コロナ前)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
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 それに対して「コロナ後」の2021年は、23区では江戸川区、港区、中野区、目黒区の4区が転入超過から転出超過へと転じた。「コロナ前」には23区と八王子市周辺に濃い赤色のエリアが集中していたが、「コロナ後」は色分けがばらけた印象を受ける。

東京都・2021年(コロナ後)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
東京都・2021年(コロナ後)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
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 これらの差分である「勢い」の図を見ると、前述の通り、23区で転入超過傾向に歯止めがかかったことが明らかに読み取れる。江東区のみ、転入超過数が1000人以上のプラスになっているが、その他の区では大きくマイナスになり、23区中18区で2000人以上のマイナスとなった。多摩地区でも青系のエリアが目立ち、勢いが鈍っている傾向にあるが、JR中央線沿線の立川市以東(武蔵野市、三鷹市、小金井市、国分寺市、立川市)は赤色の表示で、「コロナ後」も根強い人気があることがうかがえる。

東京都の、転入超過の増加・減少の「勢い」(資料:日経BP 総合研究所)
東京都の、転入超過の増加・減少の「勢い」(資料:日経BP 総合研究所)
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埼玉県:さいたま市内各区で勢いに明暗

 「コロナ前」の2020年は、川口市、さいたま市の一部、草加市、越谷市など、東京都心に近くアクセスの良いエリアで、2000人以上の転入超過になっている。さいたま市の中では、東京都心への交通の便が相対的に悪い桜区、岩槻区は赤系だが、色は薄い。また、上尾市、川越市より北の県北東部では、増加幅は少ないないものの、転入超過になっている自治体が多く見られる。

埼玉県・2020年(コロナ前)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
埼玉県・2020年(コロナ前)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
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 「コロナ後」の2021年は、全体的な傾向は「コロナ前」と大きくは変わっていない。ただし、東京都心に近いエリアは、転入超過が続いているものの赤色が薄くなっている自治体が見られる。

埼玉県・2021年(コロナ後)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
埼玉県・2021年(コロナ後)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
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 「勢い」を見ると、神奈川県と同様に、東京都心に近く交通の便が良い川口市やさいたま市南部(南区、浦和区、中央区など)で、勢いの減少が目立つ。一方、同じさいたま市内でも、これまで転入超過数が小さかった岩槻区、見沼区、緑区などで、相対的に勢いが増加している。JR宇都宮線沿線の蓮田市、白岡市、久喜市なども赤色の表示だ。

埼玉県の、転入超過の増加・減少の「勢い」(資料:日経BP 総合研究所)
埼玉県の、転入超過の増加・減少の「勢い」(資料:日経BP 総合研究所)
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