千葉県:転出超過→転入超過の自治体が外房に集中

 「コロナ前」の2020年は、市川市、船橋市、松戸市、流山市、柏市など、東京都心に近く交通の便が良いエリアに、2000人以上転入超過の濃い赤の表示が集中している。それらの東側でも、千葉市の一部、八千代市、印西市など、1000人以上の転入超過を記録したところが目立つ。一方、そのさらに東側と南側は、袖ケ浦市や木更津市といった一部の自治体を除き、転出超過傾向にある。

千葉県・2020年(コロナ前)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
千葉県・2020年(コロナ前)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
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 「コロナ後」の2021年も、2020年と人口動態の傾向は大きく変わらなかった。県北西部は引き続き転入超過傾向にあり、それ以外の地域では減少傾向にある。

千葉県・2021年(コロナ後)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
千葉県・2021年(コロナ後)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
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 ただし、「勢い」を見ると、東京都心に近い市川市、船橋市、松戸市、柏市などでは、転入超過傾向に陰りが見える。それに対して、隣接する習志野市、八千代市、白井市などでは勢いを保っている。また前述の通り、外房の大網白里市、白子町、長生村、一宮町は赤系の表示になった。千葉県内では転出超過から転入超過に移行した自治体が9つあるが、そのうち5自治体(大網白里市、白子町、長生村、睦沢町、長南町)が、この周辺エリアに集中している。

千葉県の、転入超過の増加・減少の「勢い」(資料:日経BP 総合研究所)
千葉県の、転入超過の増加・減少の「勢い」(資料:日経BP 総合研究所)
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神奈川県:湘南エリアと横浜市南西部に勢い

 「コロナ前」の2020年は、県中央部を南北に流れる相模川を境に、県東部では赤色が目立ち、県西部では青色が目立つ。東京都心から近い川崎市川崎区・幸区・中原区や横浜市鶴見区・神奈川区などが2000人以上の転入超過だ。横浜市内は、東部や北部は転入超過だった一方、金沢区、泉区、瀬谷区といった都心から離れた地区で転出超過となっている。

神奈川県・2020年(コロナ前)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
神奈川県・2020年(コロナ前)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
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 「コロナ後」の2021年は、県東部の転入超過傾向は変わらないものの、色の濃さにはばらつきが出てきた。なかでも、東京23区に近いエリアで赤色が薄くなっているのが目立つ。

神奈川県・2021年(コロナ後)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
神奈川県・2021年(コロナ後)の転入超過状況(資料:日経BP 総合研究所)
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 「勢い」を見ると、東京都心からアクセスの良い川崎市東部(川崎区、幸区、中原区)や横浜市東部(鶴見区、神奈川区、西区)などが青色になり、転入超過の勢いが落ちていることが分かる。また、JR東海道・横須賀線や京急線の沿線(保土ケ谷区、戸塚区、南区、港南区など)でも、勢いは鈍っている。横浜市の中でも、東京23区へのアクセスがあまりよくない南西部(瀬谷区、泉区、栄区、金沢区など)は赤色の表示になっている。

 他方、湘南エリア(鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市)で転入超過の勢いが目立つ。コロナ前、「住みたい」と思っても都心への通勤に時間がかかることから敬遠していた層が、テレワークの普及によって転入してきたことが一因として考えられる。

神奈川県の、転入超過の増加・減少の「勢い」(資料:日経BP 総合研究所)
神奈川県の、転入超過の増加・減少の「勢い」(資料:日経BP 総合研究所)
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