2018年度に新しくスタートした事業について、調査時点(7月)で自治体職員・議員による視察の受け入れ件数が最も多かったのは、岐阜県大野町が7月に開設した道の駅「パレットピアおおの」だった。続く2位は、4月にオープンした宮崎県都城市の「都城市中心市街地中核施設」である。そのほか、高齢化社会への対応をはじめ特色のある事業・施策に対する視察が多かった。SNSや人工知能(AI)などのICT(情報通信技術)を活用した取り組みも目についた。

 日経BP総研(日経BP社)が運営するウェブサイト「新・公民連携最前線」は、全自治体を対象に行政視察の受け入れに関する実態を尋ねるアンケート調査を実施し、結果を「視察件数ランキング」として取りまとめた(調査概要・ランキング算出方法はこちら)。本記事は<2018新規スタート編>として、2018年度に新規スタート/オープンしたばかりの公共サービスや施設、行政施策などに対する視察の受け入れ件数(調査時点での件数、受け入れ予定を含む)の上位30位までを「総合ランキング」として紹介する。併せて人口規模別のランキングも作成した。

 なお、自治体別の個別回答は、別途、自治体別・視察の多い事業一覧<2018新規スタート編>としてまとめている。

第1位:子育て支援施設を併設した道の駅「パレットピアおおの」

 2018年度スタートの新規事業では、7月11日にグランドオープンした岐阜県大野町の道の駅「パレットピアおおの」が視察件数38件で総合ランキング1位となった。

道の駅「パレットピアおおの」の外観(写真提供:大野町)
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 大野町は、同町内に建設中の東海環状自動車道・大野神戸インターチェンジ(仮称)が2019年度に供用開始となるのに合わせ、そのすぐ近くに道の駅「パレットピアおおの」を整備した。施設全体の面積は約2万7000m2、岐阜県の道の駅では最大級の規模である。

 パレットピアおおのは、町の玄関口として町外からの来訪者をもてなし、かつ町民だれもが日常的なやすらぎの場として利用できることを目指している。道の駅には地元農産物の直売所やベーカリー、レストランなどがあり、敷地内の広場は来訪者も町民もくつろげるスペースとなっている。プロポーザルで選ばれたダイナック(東京都新宿区)が指定管理者となり運営を担当している。施設の管理運営に関する経費(人件費、管理費、事務費など)は、施設内の収入で賄うという事業スキームだ(※)。

※ ただし、公益的施設の電気料、水道料、浄化槽の保守点検、公園維持管理費などは町が負担する。また、指定管理者は、年度ごとの経営状況に応じて利益が生じた場合、指定管理者はその利益の一部を「納付金」として町に納入する。
道の駅「パレットピアおおの」の空撮写真。円形の屋根付き回廊で囲まれた広場の奥にある建物にレストランや地元農産物の直売所が入っている。広場の右隣にある建物は「子育てはうす ぱすてる」。(写真提供:大野町)
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 パレットピアおおのの特徴は、子育て支援施設を併設し、防災拠点施設を兼ねることだ。子育て支援施設の「子育てはうす ぱすてる」には木製遊具を設置したキッズルームや図書ルーム、幼児ルームを備え、子育て親子が交流する場となっている。町民が利用しやすいように、ぱすてる利用者専用の駐車場を施設のすぐ隣に用意している。また、パレットピアおおのは指定緊急避難場所を兼ねており、災害時の広域防災機能を備えるという。

 なお、パレットピアおおの以外でランキング上位に入った道の駅としては、2018年4月にオープンした北海道石狩市の道の駅石狩「あいろーど厚田」が(11位)がある。


■ 全国自治体・視察件数ランキング<2018新規スタート編> ■自治体別・視察の多い事業一覧<2018新規スタート編>